岩手の旅続き。もはや3週間以上前のことなので、少しずつリアリティを失い始めている。もともと、臨場感を伴った文章を書くのは得意な方ではないので、さしたる問題でもないのかもしれない。

牧場をあとにして、車で3時間ほど離れた八幡平へ向かう。この日のゴールを、八幡平を抜けた、秋田県玉川温泉と決める。

途中、御所掛温泉というところに寄って、箱風呂という、温泉の蒸気熱を利用したサウナに入る。木製のコンパクトな箱から、首だけを出しながら入るというスタイルのもので、引いたところから眺めると生首が並んでいるような形になり、面白い。

その後、玉川温泉に無事到着。ここは岩盤浴が非常に有名な温泉地らしく、地熱により熱せられた岩の上に、粗末なバラックが2,3建てられており、その中でたくさんの人が寝ころんでいた。皆、自分のマットやゴザなどを持参してきていたが、自分たちはそういうものを持っていなかったので、岩の上にしばらく腰掛けただけだったが、一応、体験した気になった。ここは岩盤浴だけでなく、通常の、湯につかるタイプの温泉もあった。ラジウム温泉と書いてあったので、放射能を帯びた湯だったようだ。後に調べたところによると、被曝量は15-20ミリシーベルト/年との事。

遠くまで慣れない車を運転し、疲れたが、また3時間くらいかけて宿まで戻った。トンボ返りのような形になったが、山奥の温泉地はなかなか面白い場所だった。