耐火金庫特集つづき
2007年12月27日 01:00 T
小樽の中心街から少しだけ離れて、巨大で寂寞とした倉庫地帯に迷い込んだ。もの言わぬ倉庫たちが、ひたすらそこで耐えている感じだった。背景の空はちょうど、狙い澄ましたかのように重く沈んだ劇的な色をしていた。カモメらしき鳥が首をちぢめて波止場の船留めに停まっていた。
個別ページ
耐火金庫特集
2007年12月27日 00:00 T
少し前のことになるが11月の23、24と高校の頃の友人たちとともに北海道に1泊2日の小旅行に出かけていた。
小樽の町は(オフシーズンということもあってか)想像以上に人気がなく、ペンキの塗装がささくれたように剥がれ落ちた民家の外壁や、店先にもたれかかった安そうなプラスチック製の雪かき、雪に半分くらい埋まって朽ちかけてしまっているような自動車など、北国の旅情を誘うたくさんのアイテムが白く覆われた視界のあちこちに点在していた。
シャッターの降りた商店街には、拡声器から流れる軽快なBGMが心もとなく流れていた。観光協会としては、閑古鳥のさえずるこの状態は当然芳しくないだろうし、現地の人々にとっては死活問題であろうが、勝手な旅行者の願いとしては、北国の風景は侘しさと共にあってほしいと思う。北海道に行くと決まった時から、こちらは即席でセンチメンタリストの心積もりをしてきたのだから。
しかし立ち寄った寿司屋で食べた海鮮丼はおいしかった。驚愕するほどおいしかったというわけではなかったのだが、醤油が冷えた体に美味しく染みた。
個別ページ
|
コメント(2)
海水浴
2007年12月25日 00:00 T
今日はクリスマスという日だったので、自分へのクリスマスプレゼントという設定でハトメパンチを買った。ハトメというのは金属製の筒型の鋲で、ホッチキスのように紙状のものをまとめるのに使ったり、空けたパンチ穴を補強したりするのに使う。ハトメパンチとはそのハトメ鋲を打ち付けるための器具のことだ。
自分は紙にこのハトメが打たれているものがなぜか好きで、特にボール紙のようなものに穿たれているハトメは美しいと思う。
それは紙と金属という取り合わせのもたらすものなのかもしれないが、このハトメ穴がひとつ空いているだけで、その紙全体に不思議と味のある緊張感が生まれるような気がする。
このハトメパンチはライオン事務機というメーカーのものらしいが、重厚な金属製の外観にも心ひかれ、購入を決意した。ハトメ鋲自体は250個入りで200円弱と安いので、いろいろなものに打ち付けて遊んでみたい。
個別ページ
|
コメント(2)
茶葉
2007年12月16日 00:00 T
先日、渋谷のユーロスペースでやっているチェコアニメーション映画祭を見てきた。映画祭と名乗っているだけあって、全部で32作品もの作品が公開されているのだが、全部を一度に見ることは出来ず、作品のジャンルごとに4つのプログラムに分割されて上映されている。今回はナンセンスプログラムと名付けられた9つの小品を見てきた。
ナンセンスというので、無意味でシュールな、幻覚キノコみたいな感じの作品群かと思ったけれども、主に社会批評を主題に据えた作品が多かったように思う。作られた時代背景もあってか産業機械や商業主義をニヒリスティックな観点で眺めていた。
ユーロスペースの近くを歩いていたら、とある壁面にはりつけられた石タイルのひとつひとつに、無垢な笑みをたたえた表情があるのを見つけた。ネオンがちらつき、何かに勝ったみたいな顔をした人々が道行く夜の渋谷の歓楽街に、子供のようなニコニコ顔が整然と並んでおり、気持ちよく馬鹿にされているみたいでおもしろかった。
個別ページ
|
コメント(3)
造形探訪シリーズ
2007年12月15日 00:00 T
進修館 その2
設計:象設計集団
機械よりは多くの雑多な人々
知識よりは知恵
速さよりは持続力
理性よりは情熱,狂気
妥当よりは過剰
規範よりは埓外のものごと
結論よりは終わりのない問いかけ
形姿に求められるものは魔力
最後に,空間の緑化がもっとも大切です
(象設計HPより引用)
最後の1文として加えられた暖かさが美しいと思う。妥当よりは過剰という言葉もよいね。
個別ページ
|
コメント(2)
エピグラフとパンタグラフ
2007年12月12日 00:00 T
ブログをはじめることにした。今まではホームページの形式で日記を綴っていたが、ついにブログというものに手を出してみた。サーバーも借りた。
もう半年近くも日記を書くことから離れていたので、突如として再開をしてもうまく筆が進まないような気もするが、また適度にやっていきたいと思う。
自分の机の上にもらいものの電波時計を設置して1年ほどになる。部屋の中に絶対的に信頼出来る時計がひとつあるととても便利だ。正しい時刻をしかと確認しておくと、自信をもって家を出られる。
しかし最近、絶対に狂わないはずのその卓上電波時計が、機械の故障なのかなんだか分からないが、実は日本標準時刻より5分ほど遅れて時を刻んでいたことが判明した。ここのところ、たしかに出先のいろいろな場所に設置されている時計が、自分の腕時計より進んだ時刻を指していることが多いなとは思っていた。しかし自分の腕時計は絶対神である電波時計を見て定期的に時刻合わせをしているのだから、自分の腕時計の時刻が正しくてまわりの時計が狂っているのだと信じきっていた。世の中の時計はわりとあてにならないね、とさえ思っていた。
しかし事実は違って、神である電波時計が狂っていた。最近の自分は常に5分遅れの行動をとっていたことになるが、何の支障もなく日常生活が出来ていたのでさらに発見が遅れてしまった。しかし盲信は恐ろしい。技術はつい信頼しすぎてしまう…。
テレビを見る習慣があればもっと早くに気付けたかもしれない。。。
個別ページ
|
コメント(3)
最近のコメント
takahashi on 造形探訪シリーズ沖縄編10: 象さんin沖縄の建築
T on 造形探訪シリーズ沖縄編4: ひろしまハウスも煉瓦
T on 造形探訪シリーズ沖縄編2: 墓ではなく、一応、海
なぜだか on 造形探訪シリーズ沖縄編4: ひろしまハウスを思い
プンスカピー on 造形探訪シリーズ沖縄編2: うわ!!・・・ なに