駅前飲食店会

2008年4月17日 00:00 T |個別ページ
lipton01.jpgこないだ(だいぶ前だが)、ラピュタ阿佐ヶ谷で開かれていたラピュタアニメーションフェスティバルに行き、"ユーリ・ノルシュテイン『イワン雷帝』を語る"というプログラムを観てきた。
このプログラムはノルシュテイン本人が生で講義をするわけではなく、何年か前に開かれたノルシュテインによる同名の講義の様子を撮影したドキュメントフィルムを上映するというものだった。
lipton02.jpgノルシュテインは、ソビエトの映画監督セルゲイ・エイゼンシュテインによる映画「イワン雷帝」には、アニメーションに必要な技法の全てが凝縮されているとした上で、ビデオを回しては止め、回しては止め、とつとつとシーンの構造を解説していった。
現実をありのままに表現しようとする行為からは、現実は絶対に生まれない。現実をもって現実を再現する事は意味のないことだと言っていた。抽象表現から現実を取り出すことに意味があり、だから彼は、抽象の塊である「動物」をアニメーションに使うとの事だった。
彼のアニメーションの到達点が、あくまで現実に据えられているという事が分かって良かった。ファンタジーは、現実から離れた幸せな孤島を自分に提供してくれる(から好きだ)が、なかなか現実を変えてはくれないだろうから。