優位な傘

2008年9月25日 00:00 T |個別ページ
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恵比寿に移転したNADiff a/p/a/r/t(というギャラリー 兼 美術書専門書店)に、中島英樹の個展を観に行った。自分は、中島英樹という人の、わずかに重く不明瞭な色づかいと、その中に滑るように配置されたきれいな文字の組みが好きなのだが、今回展示されていたポスターも、文字が躍動感に軋んで自己崩壊しそうな表情がとてもきれいだった。digital01.jpg
ちなみに、中島英樹のブログも面白い。彼のブログは、読んでみるとわかるが、基本的に日本語が文法レベルで間違っていることが多く、常に文章が壊れている。アルコールを摂りながらブログを書いていることも多いようなので、最初は、酩酊してるから壊れた日本語になっているのかと思ったが、あまりにも毎日そうであるので、どうやらそればかりが原因ではないらしい。
壊れた文章は、たどたどしく、断片的なので、ひと言ひと言が決意めいていて不思議と強い文章になっているのだが、やはり視覚表現に、特化してしまった人なのだろうかと思わせる…。
文字は、記号としての明解さの裏側に、上層に、周辺に、いくつものイメージが立体的に貼り付いている。この人は、その多層さを透視できているんだろうなと思う…。