(MAD)sketchup



SketchUpで巨大なデータサイズの3Dモデルを扱っていたら、処理が追いつかず、次第にジオメトリが美しい感じに崩れていった。過大な負荷のため、パソコンのファンの音が苦しそうな感じになり、本体が異常な熱さになっている。いつもの、ソフトがフリーズする寸前の予兆をありありと感じた。データをセーブするのを忘れていたので、元のデータがよみがえらない事を悲しみながら、偶然が生成したこの図像のスクリーンショットを撮った。ほどなくしてパソコンはフリーズした。

単なるランダム生成された立体でなく、他の目的でキチンと作っていた3Dデータが壊れたので、建築部材以外の、イスとか植物とかも巻き込んでミキシングされていてちょっと面白い。デコンストラクションの建築家の人たちは、有形無形問わずいろいろなものをミキシングしてきた。建築部材、生活用品、行為、思想、歴史的コンテクスト…。その筆頭、COOP HIMMELB(L)AUは、去年のオペラシティの展示会で何かドクドク動く巨大な臓モツみたいなものを作っていたが、あれは何だったのか…自分にはよく分からなかった。(身体の拡張としての建築…と書いてあったが、それは他の誰かに任せて、もっとクラシック・デコンストラクションな、もっと無作為に色々混ぜた造形物を建てて欲しい。)

vase 2

花器の造形制作にはGoogle Sketchupを使った。SketchupはAPIが公開されていて、Rubyスクリプトを使って自由にプラグインを作成することができる。(Microsoft WordやExcelでマクロを作成できるのと同じようなこと)

今回は、8つの面で構成されている事+紙コップの体積を内包できること、という縛りのもと、ランダムに形状を生成するプログラムを作成した。Sketchup上で一度このプログラムを走らせると、100個の花器が生成される。プログラミング技術および数学的知識の未熟さのため、100個のうち2割程度は面がよじれたり裏返ったりしてしまって、CG上では存在しえても、リアル空間上ではありえない形状が生成されてしまうので、それらは手動でデータを削除している。

Sketchup上にカタログ的に現れる80個近くの色とりどりの花器のうち、好きなものを選んで、展開図に起こし、プリントアウトして組み立てる。好きな形状のものが見つからなければもう一度プログラムを走らせて、形状を刷新する。

DIY: vase

花器を作成した。一般的なプラスチックコップに水を張り、紙製のカバーをかけることにより花器にした。紙は普通の画用紙(マーメイド)を使用、印刷は家庭用インクジェットプリンタ。展開図面からの組み立ては手作業による。