今日はBank holiday(祝日のようなもの)で休みだったので、ロンドン動物園に出かけてみた。モダニズム名作と名高い建築物の「ペンギンプール」を見るため…。入園料が27ポンドもした。ここには、ペンギンプール以外にもいくつも著名建築があるので、写真を連発することにしたい。
関係ないが、ラクダの小さいような感じの動物が中々よい首の角度を保ちながら寝ていた。
ペンギンプール(Berthold Lubetkin、Ove Arup設計 1934年)
有名な二重らせんのスロープを有する。
ペンギンプールは、すでに使われなくなっていて、ペンギンは別の場所に移されている。主が居なくなり、人が入れるわけでもなく、完全に機能は失っているのに、それでも空間の強さが残り続けている…。よく分からないが、彫刻になったのかというとそうでもない気がする…。かつて大竹康市という建築家が、私は建築が建築であることを放棄してしまった状態を想定して、それでも成り立ちうる何かを探してみたい、と書いていたことを思い出した。
現在のペンギンの飼育環境。プールも深く広くなり、ペンギンにとってははるかに暮らしやすくなっただろうと、思う。ペンギンは潜水しながら、滑るように泳ぐ姿のイメージが強かったが、カモのようなスタイルで水面に浮かんでいる連中も多くいた。
スノードン鳥小屋(Cedric Price設計 1962年)
ラクダ舎(Decimus Barton設計 1837年)
このバートンという名前、良く見る気がすると思ったらHyde parkやKew Gardenの主要建築物の設計に携わっていた人だった。
どれも見応えがあって面白かった。建物を見るのに集中していたため、動物はある程度飛ばしながら、適当に見た。今日の建物のなかでは、個人的には、ゾウ舎が良かった。動物園という性質上、ある種、独房に近いような独特の精神的圧迫感を感じたが、そのぶん、天窓から差す光がぼわりときれいに見えた。いまはもう居ないが、かつてゾウの背中がこの光に照らされていたのかと思うと、寂しさを帯びた心地よさがあった。
俺もロンドンzooに行ったときは、入園料の高さに驚いた笑。でも行く価値あるよね。
動物たちが楽しそうに生活する姿が想像できる美しい舞台だなーと思う一方、象やペンギンが実際にはもういない現実は何というアイロニーか。動物園建築に限らない話ですが。
確かに27ポンドの価値はあった…。
ペンギンプールは思ったよりずっと浅くて狭かったし、wikipediaによるとコンクリの上を歩かされたペンギンが関節炎になったとか何とかで、確かにペンギンにとってはあんまり快適な環境じゃなくて、今の広い飼育施設のほうがはるかに居心地良いだろうね。でも設計者にとってみたら、自然環境をそのまま模倣するよりも、自分の作る空間で、ペンギンの魅力を限界まで引き出してやるぞと言う気概で臨んだんだろうなと言う感じがした。自然を再現するスタイルだと、最終的にはサファリツアーみたいなものが完成形になるしね…。エゴではあるけど、惹かれるものがありました。