月別アーカイブ: 2013年2月

ダンカン

帰宅後、大和田秀樹という漫画家の「ムダヅモなき改革」という麻雀漫画を数巻読んだ。タイトルのシュールさが気になった。小泉ジュンイチローという日本総理大臣の主人公が、各国の首相や大統領達と「点F-15(1000点につきF-15戦闘機一機を支払う)」での勝負などの壮絶な麻雀を繰り広げるという漫画。意味不明な設定、意味不明な展開で読者を完全に置き去るのが魅力…というたぐいの漫画だが、続刊を読みつづけたいとは思わなかった。

自分は全く麻雀のルールを知らないが、麻雀漫画はいくつか読んだことがある。かつて、福本伸行の「天」という麻雀漫画を読んだとき、最後の2~3巻が、一切麻雀の話が登場せず、安楽死を望む主人公と、主要キャラクターひとりづつの長い対話が続き、最後の主人公の尊厳死に向かっていくという内容で、なんだこの麻雀漫画?と思うと同時に、面白いと思ったことから、たまに読んでいる。ただ麻雀をやりたいとは全く思わない。

すき焼き

今日は夜に同僚の方々と共に、元同僚のかたの家にお邪魔し、すき焼きを囲んだ。もろもろの話を聞けた。皆、悩みながら仕事をしているのは、よくわかる。

小名浜

國分功一郎の「暇と退屈の倫理学」を半分くらい読んだ。人間が本能的に持っている、「暇」や「退屈」を感じてしまうというメカニズムが、石器時代から現代に至るまでどのように経済や文化、人の生き方を作ってきたかについて考察した本。アーツアンドクラフツ運動、資本主義…あらゆる営みを、「暇」という観点から語っていておもしろい。

縄文土器になぜ不必要な縄模様がついたのか、という疑問に、著者は「暇だったから」と答えている。それまで定住せず、遊動生活をしていた人類は気候変動などの何らかの理由で定住を強いられるようになり、定住による「暇」の発生が食料生産システムやさまざまな文化を生んでいったという見方をしている。暇が芸術を生んでいった。

この考え方は学生の頃に読んだ、アドリアン・フォーティ「欲望のオブジェ デザインと社会」という本の説得力を援護するのだろうか…。「欲望のオブジェ」はモダン・デザインの歴史を学習するうえで個人的にははずせない分かりやすさを持った本で、「暇と退屈の〜」は、自分の中ではさらに他の本と併せて下記のような流れでつながった。

ニコラス・ペヴスナー「モダン・デザインの展開」…デザインを芸術と同じように作家の思想・精神性の変遷から語っている本

レイナー・バンハム「第一機械時代の理論とデザイン」…デザインの発展をリードしていったのは作家の思想ではなく、テクノロジーと機械の発展によるものだと語っている本

アドリアン・フォーティ「欲望のオブジェ」…デザインが発展していったのは、ただテクノロジーが発展したからではなく、社会が発達し、市場経済を回すために他品種化せざるを得なかった中で、否が応にも社会的価値観が多様化し、その欲望に応える製品が生み出される必要があったためと語っている本

國分功一郎「暇と退屈の倫理学」…社会と経済の成熟が人間に暇をもたらした。暇が人の文化的営みや思想にどんな影響をおよぼしたかを書いている本

残りを読み進める…。

露助

kindle

Amazonの出している電子書籍リーダーのkindleを買った。これより軽いSONYのリーダーも悪くなかったのだが、バックライトがあるという点が良いのと、iPadでkindleアプリを使っていたので、データが共有できるようにこれにした。kindleは初期型の頃から、流通用のダンボール梱包がそのままパッケージになっていていさぎよい…。朝、注文しその日のうちに届いた。

無料の青空文庫書籍を1冊、読んでみた。なんとなく目について、読んだことのなかった小林多喜二「蟹工船」を読んでみた。極寒のカムチャッカにてカニを獲りながらカニ缶を作る工船で、雇用者からの人外の扱いに耐え続けた労働者がストライキを起こす話。後半の、労働者の怒りがうねるように高まっていくあたりの緊張感は面白かった。iPadなどで読むときに比べ、本体が小さく軽く、格段に読みやすくていい。高解像度になったとはいえ、明朝体で読むと若干文字のカスレが気になるが、ゴシック体に変えるとそれほど気にならない。本が閉じるのを押さえ込んでいなくて良いので、変な姿勢でも読みやすくてすばらしいと思った。だいたい、自分は布団で本を読んでいるのだが、すぐ体が痛くなってくるので、姿勢を何度も変え、読み終わる頃には相当なアクロバティックな姿勢になっていることも多いので、kindleは便利だ。

ただ漫画をこれで表示すると、解像度の関係か、スクリーントーンのところにモアレができてしまうのが少し気になった。

俺のやぞ

hiphop

今日は天気の良い日だったが、特に外には出ずに本を読んでいた。

昨日、購入した、都築響一の「ヒップホップの詩人たち」を読んだ。月刊新潮での連載をまとめたものとの事で、主に地方に住み、今までのヒップホップシーンになかった独特の生々しい表現を行う日本語ラッパーたちへのインタビュー集…。都築響一は、かつても「夜露死苦現代詩」という本で、固定的な文学シーンが取りこぼしまくっている(らしい)新しい日本語表現として、ピンク情報のスパムメールや暴走族の特攻服などを拾い上げていて、それも面白かったが、今回の本も面白かった。

この本に登場する多くのラッパーたちは、何が新しいかと言えば、いわゆる定型化されたギャングスタ・ラップ(マッチョな黒人が貴金属類を大量に身につけて女性をはべらせてアメ車でズンドコする音楽)でもなく、J-ラップ(世の中のありとあらゆる事象を恋愛に結びつけてうやむやにする音楽)でもなく、日本の閉塞感あふれる非都市部の町から、生活の悩みと葛藤をラップしているという点が新しいという事で評価されている。

つまりドキュメントとしての音楽を現代に復活させた点が新しいのだと思う。だから、ILL(どれだけ病んでいるか)やREAL(どれだけ現実を描いているか)といった言葉がほめ言葉として使われる。彼らのフロウ(ラップの語り口調)は、リズムや韻といった音楽性よりも、ドキュメント感を盛り上げる演劇性に特化しているように聞こえる…。

108 bars – 小林勝行

詩情による言葉の音色とは、全く違う言葉の音色で良い…。70年代フォークにも三上寛などのドキュメント性の強い作家が居たが、メロディーが消えてビートが強くなっている分、より獰猛に聞こえる。

ただ、登場するラッパーに、ドロップアウトして犯罪に手を染め投獄経験ありというパターンのラッパーが多すぎるのは気になった。幸いにして投獄されていなくても、何らかの犯罪を犯している人がほとんどだ。それはILLさ(ドキュメント性)の追求の弊害だと思うが、あえて犯罪を犯して投獄されたという人物も載っていて、原因と結果が逆転している。これらは魅力的な音楽だと思うけれど、自分は深いところでは、少年期の悩みを不良行為に転化できた人のリアリティに共感しきることができない。頑張って我慢することを課してきたタイプの人間の業を表現してくれるような地味なヒップホップが、まだない。

ミニストップ

今日は髪を切りに行った。昨年末に初めてパーマをかけたが、楽でよいのでもう一度かけてもらった。

その後、青山ブックセンターに寄り、何冊か本を購入して、夕方になったので少し早かったがラーメン屋で夕食を取った。目黒にある航という店に行った。煮干しっぽいにおいが店内に充満している店だが味はきらいでない。最近なぜか良くラーメンのたぐいを食べたくなる。

帰宅後はweb漫画などを読みふけり怠惰に過ごした。

バンド映画に出る宮崎あおい

帰宅途中、コンビニでアイスを購入し帰り、食べた。

最近は意味なくロックのおさらい的に古いアルバムを聴いているので、public image limited(PIL)のflowers of romanceをきいた。このアルバムはジャケット写真が非常に秀逸だと思う。(本来は左に90度回転させた置き方が正位置という話もある)このバンドは元sex pistolsのジョン・ライドンが、punk is deadと宣言してピストルズをやめて何故かジャマイカに休暇に行き、たぶん何か思うところがあって休暇後、始めたというバンドだが、この3枚目のアルバムからはベースの人が脱退してしまったので、ベースが一切入っていない。ベースがないので、音のスカスカ感が尋常でなく、明らかに何かが足りていない感じがして怖い。ギターが時々、あまり脈絡もなくキュイキュイと混ざってくるが、ほとんどはドンドコドンドコと太鼓のようなドラムと、お経のような歌で構成されていてほとんど民族音楽の印象に近い。でもとても良い。

ワープ

12時過ぎに帰宅。割と行き詰まり、良い打開策が出ないまま帰宅となった。

yahooニュースでゲーム作者の飯野賢治が昨日亡くなっていたことを知る。氏の手がけた、「エネミー・ゼロ」というセガサターンのゲームを中古500円くらいで購入してやってみたことがあるが、敵の姿が一切見えず、レーダーの効果音の変化だけで見つけ出して倒すというシステムの難易度が高すぎて全くクリアできなかった。

景色

帰宅は遅くなった。遅くなったが何か食べようと思って、ソーセージやジャガイモ、エリンギ、ニンジンなどをコンソメで煮たものを食べる。この、野菜をコンソメで煮たもの(良く言えばポトフ)は学生だった昔の頃からよく食べている。

仕事から帰宅後、amazonのkindleストアで鈴木みそ「限界集落温泉」という漫画全4巻を購入して読んだ…。kindleは持っていないが、iPadのkindleアプリで読める。フォントが汚くて、最初だけ違和感を覚えたが、話は面白く、すぐに気にならなくなった。もちろん、元の書籍ではきれいにふきだしの中の文字が組まれているのだろうが、多くの場合、漫画のふきだしの文字をそのまま電子書籍で使うことはライセンス上認められていないので、作者が自ら打ち直したのだろうと推測された…。大手出版社から出ている漫画のふきだしの文字は、だいたい写研(というフォントおよび組版機器メーカーの老舗。かつては圧倒的なシェアを誇り、世に流通するほとんどの本に写研フォントが使われていたが、フォントにデジタル化の流れが起こったときに、あえてその波に乗らず独自路線を選び、著しくシェアを落としていった。書体の美しさには定評があり、未だに写研書体を使い続けるデザイナーも多いと聞く。写研フォントは未だデジタル化されていない。)のフォントが使われていたが、最近、見慣れない別なフォントを使った漫画もよく見かけるようになった…。

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