月別アーカイブ: 2014年6月

電話

帰宅。ワールドカップを見ていると、昨日Calling fesで知り合ったイギリス人から電話が来て、幾つか日本のバンドを見たという話をした。新旧、メジャーインディー問わずいろいろなバンドを知っているようだったが、次はBabymetalというバンドのライブに行くのだと言っていた。知らなかったが、調べてみると、アイドルとメタルの融合というコンセプトで活動しているアイドルグループだった。

Calling Festival

同僚氏に誘われ、Clapham commonで開催されたCalling Festivalというフェスに行く。自宅からそう遠くなく、バス一本で行けた。この日はStevie wonderを筆頭にもろもろソウル系の人々が演奏する日で、ふだん全く聴かないジャンルなので、何も知らないが、面白そうだったので行ってみた。

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ソフトロックぽいJack johnsonは少し聴いたことがあった。写真の男がJack Johnsonだが、この人よりもピアノの帽子をかぶった人のほうがステージでいろいろやっており目立っていた。

殆どの人がスティーヴィーワンダーを目的に来ていたようで、実際、他のバンドの演奏時間が45分から1時間だったのに対し、彼だけ2時間半の持ち時間があるという格差が発生していた。ほぼ全曲、合唱状態だったが、自分は1,2曲しか知らなかったので聴いているのみだった。やはり何というか、全体的に、非常に「上手い」感じがしたが、十分楽しめた。随所で、小さな箱みたいな謎の楽器をペチペチ叩いて演奏しており、気になったので帰宅後に調べたところ、herpejjiという、箱に何本もの弦を水平に張った、鍵盤奏者のための弦楽器のようなものだった。

cut

自宅近くの美容室に初めて行った。髪をクシャクシャにしてもらう。少し雨が降った後に、カラッと晴れ上がり気持ちのよい感じがした。

夕飯にEarl’s courtにあるtrabadourというレストランへ行く。レストランというか昔はCoffee shopと呼ばれていたようで、それと何か関連があるのかは、知らないが、地下にはライブハウスがあり、そこではボブ・ディランやポール・サイモンなども良く演奏していたようだ。

配管工

Ground floorの人の工事で、水道管をどうにかしたらしいが、その影響で一時、家のある通り全体に影響が出たようだ。帰宅時には全て復旧していた。

一階

住んでいるフラットの1階(Ground floor)部分を最近、購入したというオーナーが、家をリフォームしている。他の部屋も参考に見たいというので、うちの部分を見る事になり、夕方、大家さんとともにやって来た。10分程、サクサク見て、帰って行った。大した物を置いていない殺風景な部屋だが、既に大家さんによって造り付けられていたアルコーブ部分の円形テーブルやイスなどを見て、ラブリーと言っていた。

その後、近所の中華料理屋に行った。あまり客が居なかったが、安くおいしく、食べきれなかった料理は丁寧に持ち帰り用にパッキングしてくれた。満足して帰路についた。

Chibo Matt

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最近こちらに赴任してきた、会社の同僚氏が家探しをしており、うちを参考に見たいというので少しばかり家を紹介した。更に近所の同僚氏の家も観るというので付いて行き、その流れで二人を連れてCafe OTOにChibo Mattのライブを観に行った。良い感じにチープな音色を多用した不思議なリズムで、技巧的ではないけれどシンプルで強い感じの表現で、とてもよかった。

サッカー

普段、サッカーに一切興味が無いにも関わらず、今回のワールドカップはわりと見ている。見たら見たで、わりと面白く、今日は人に誘われ、Waterloo付近のアミューズメントセンター地下のパブのようなところで開催された、日本チームを応援する集まりに参加してみた。老若男女、全部で50人以上の日本人が参加していたようだ。自分をやや軟化させる試みでもあった。全員が本気のサッカーファンで代表ユニフォームを着ている様な本気の会ではないと想像していたが、それはその通りで、全くそんな事はなかった。観始めるとテレビに集中してしまい、特に知り合い以外の人と話す事もなく、終了後にはサッと人を送って、帰った。試合は引き分けに終わった。数人の代表選手の名前と顔は、どうやら覚えたようだ。

サイゴン

同僚の方々と自宅近くのベトナム料理屋に行った。そこそこ安く、おいしかった。夜11時ごろ迄、もろもろ話をしたり聞いたりした。ふだん最も近くで働いている日本人同僚の方々だが、このメンバーだけで飲みに出るのは久しぶりだった。

建築賞

夜、かつての大学の助手のかたが、ロンドンでのある建築雑誌の主宰する建築賞を受賞したとのことで、ロンドンへやってきたので、お会いした。ほかにも、同じ大学を出て、ロンドンで働いている方々、およびその友人氏など、初対面の方々を含め、7人程で互いの近況をうかがった。

場所はHolbornにある、Cittie of Yorkeという歴史あるパブで、何か懺悔室のような、小さなアルコーブがたくさん壁にくっついており、面白かったが、聞くところによると近くに弁護士事務所が多いため、こういう小さな部屋で弁護士と顧客がちょっと話をするのに良い、との事だった。弁護士と話すには、パブはオープンすぎないかと思ったが、そういうものなのかもしれない。

会の終了後、助手の方を車でホテルまで送っていって、解散した。久々に話ができて、良かった。

マティス 堀辰雄

from Tate Modern website

Tate modernにマティス展を見に行った。主として切り絵の作品が展示されており、ベットの上でなかば寝たきりになったマティスが、カラフルな紙からワカメの様な形状をハサミで切り出し、マティスの指示のもと、アシスタントがそれを壁に張り付けて作品を生み出している様子を映したビデオが面白かった。作り方がかなり即興的で、アシスタントに切り絵を張り付ける場所を右だ左だといろいろ試させながら、ピンと来る場所を探っていた。使う色も、すでに自身の気に入った色だけを集めたカラーパレットを作成していて、それをもとにアシスタントが紙に着彩していたようだ。画家がこのように制作過程をシステム化して、スタジオ制で芸術制作するのはいつ頃から始まっていたのか、知らないが、マティスもそういうやり方をしていたとは知らなかった。

_DSC3937帰宅後、先日、見たジブリ映画の原作のひとつである堀辰雄の「風立ちぬ」を読んだ。数年前に、活字サンプルとして偶然、神保町で購入していたもので、全く読まずに本棚の中で忘れていた。本はオリジナルの野田書房の初版本でなく、昭和後期に当時の造本を完全に再現して復刻された「新選 名著複刻全集近代文学館」の一部にあたるもの。詳しくはあまり知らないが、当時、タイポグラフィをある私塾で習っていた頃、そこの主が、このシリーズは古本屋に安く売っているし、造本・組版の復刻の完成度が高いので良いと勧められて買ったもののように記憶している。

内容は、わりと記録的な文体で、自然の描写がとても緻密に書かれていて、登場人物はあまり喋らないのに、サナトリウムの中での凝縮された時間がわかった。物語は全体的にかなりゆっくり、慈しむような時間が流れているにも関わらず、読後には、それらがすべて一瞬のうちに過ぎたように感じられるところが、現実の時間の流れと同じような冷酷さがあって、良かった。

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