Rye, Brighton

Ryeという町に行く。カメラの撮影モードが、何故かイラストレーションモード(撮影した画像をイラスト風に加工して記録するモード)になっており、全く気付かずに使っていたため、画像が全て意味なくイラスト調になってしまっていた…。

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Ryeは小さな町だが、アンティーク屋がいくつもあったり、古い丸石を敷き詰めた坂道があったりと風情がある…。坂の上の教会にはクリスマスツリーが飾られていた。この教会には町を見渡せる展望台があり、登っていったが、雨と、吹き付ける冷たい風とで長くは居られず、ぐるりと周囲を見渡して塔内に逃げ込んだ。

3時過ぎくらいに町を見終わり、もう一カ所くらいどこかに寄れる時間がありそうだったため、そこから更に1時間ほどかけてBrightonに行った。ここは既に何回も来ている海辺の街で、海に架かる桟橋がまるごと遊園地になっているブライトン・ピアが有名だが、暗い時間帯にそれを見たのは初めてだった。現在、イギリスは夕方4時で真っ暗になるために、一日がとても短く感じる。ブライトン・ピアのまたたく電飾は、恐ろしい深さで暗い海と、波の轟音とのなかで異様なほど能天気にピカピカとしていて、典型的な悲哀があった。暖をとるため、皆、園内の屋内メダルゲームエリアに逃げ込んで、メダル押し出しゲーム等に興じており、それも同等の良い悲哀があった。あまりに寒すぎたため、ブライトンからはすぐに撤退した。

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意図せずカメラがイラストモードになっていたために、ピアの写真はこのような謎の抽象的発光体として記録されていた。現実にはそこにあった寒々しい波や、叩き付けるような雨は映っておらず、細長い光る未来的な構造物が、無に吸い込まれていくような夢っぽい絵になっていた。銀河鉄道に乗れなかった者が、地上からそれを遠く見送るような辛さがあり悪くないと思った。

Rye, Brighton」への2件のフィードバック

  1. Cold House G

    ブライトンピアについてはNHKの「世界ふれあい街歩き」という番組に出ていたのを覚えています。日本でいうとお台場のゲーセンが古びたような、大衆性と悲哀が共存している施設として印象に残っています。ピアの画像はコンテンポラリーな寂しさがあって非常に良い感じですね。

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    1. toyoda 投稿作成者

      その番組は初めて知りました。改修が繰り返されているとはいえ、ブライトン・ピアは最初の建設からすでに100年以上が経過していて、もはや違う時空に建っているような感じで、今後もずっとチカチカパカパカと電飾を灯し続けるのかと思うと切なさを想わずにはいられない、非常にセンチメンタルレベルの高い建物です。仮に何百年に一度の天災で、ここがまるごと海の底に沈んだとしても、それでも永久に海中でチカチカし続けるような気さえします。

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