BartlettとAA school(ともにロンドンにある有名な建築専門大学)のSummer showを観に行った。
Bartlettのほうは、一般的な期待を裏切らないゴリゴリとしたデコンストラクションの激しい造形物だらけだった。シンプルなものは一切見当たらないといっていい程、すべての作品が複雑化の一途をたどっていて、飽和に飽和を入れ子していくようなカオスさがあり、それが心地よくはあった。ただ建物としての実直さというか、空間そのものに対しての表現には、あまり関心がないのだろうとは思った。全体的に異常に装飾がつよく、独自の文脈で繋げまくった様々なモチーフ、歴史や社会状況などの物語の集積として、強引に造形化しているので、ある意味では情報化されきっていて、その態度はとても明快だった。もちろん内容は全て、よく分からなかったのだが、内容はもとよりあまり関係なく、態度の表明が目的なのだろうと思った。
図面やパース図などは、3Dモデルの新しいシェーディング方法の展覧会ともいうような感じになっていた…。
その後、AA schoolのほうにも行った。Bartlettのほうはフィクションっぽく、AA schoolのほうはドキュメンタリーっぽい感じがした。どちらにしても何らかの物語を話そうとしている点では似通っている気がした。一般的に、デザインと呼ばれるようなものは何かしら問題を解決しようとするものが多く、(現代)アートと呼ばれるようなものは問題を提起しようとするものが多いと言われている。これらの設計作品群はそのどちらでもなく、ただ何か物語を作ろうとしていたように、見えた…。