Eric Gill(というタイプフェイスデザイナー。1940年没。Gill Sansなどの設計で知られる。)のちょっとした回顧展が催されており、Shoreditchまで見に行った。
彼の代表的な書体にはGill Sans, Joanna, Joanna Sansなどがあるのだが、それらが最近、字形の改刻、ウェイト拡張などして新しくNovaシリーズとして生まれ変わって発売され、今回の展覧会はそれのプロモーションの一環として行われているようだった。
強烈な黒みと、やたらとかわいらしい形で、多くの人に好まれたフォントのひとつであるGill Sans Ultra Blackの初期スケッチなどがあった。これはまだ名前がGill Kayo(ギル・ケーオー)と呼ばれていた頃のもののようだった。
Kayoは一部の形状が激しすぎるきらいがあるので(それが良さなのだが)、こちらのExtra Boldの感じのほうがまとまりがある。Gill Sansの太いウェイトになると現れてくる強烈な特徴に、小文字のi,jの上の点が、胴体に比べて極端に小さいというのがある。
自分はたまに趣味でフォントを作っているが、以前に作ったものでも、それを参考に、太いウェイトで点を小さくするという手法を採った。やってみて思ったが、これくらいの太さになると、胴体と点を同じような黒みで作ると頭が重すぎて凄くうるさく感じると分かった。
上がGill Sans Ultra Black、下が自分が以前作ったもの…。