彼岸

Barbican centreにMax Richterというピアニストのコンサートに行った。ポスト・クラシカルと呼ばれるカテゴリーの音楽で、クラシック的な楽器編成や和声をベースに、エレクトロニクス処理を施した音を追加したり、ダンスミュージック、ポストロック的な執拗な反復を取り入れたりするタイプの音楽のパイオニアの一人でもある。GoldmundやÓlafur Arnalds, Nils Frahmなども同じカテゴリーに分類される。

勤務後に行ったので、開演にはとても間に合わず、前半の演奏は全て聞き逃したが、休憩を挟んで、メインとなる後半の「SLEEP」という楽曲は聞くことができた。編成はピアノ、バイオリン2台、チェロ2台、ソプラノの歌手で、このSLEEPという楽曲はほとんど構成の起伏がないままに、かなりゆっくりした同じメロディーが出たり入ったり1時間半に渡って途切れることなくひたすら反復されて続くという、ミニマルの典型例のような曲だった。

あまりに過剰に繰り返されるので、ある地点から、脳がもうメロディーを追うことを諦めはじめ、音楽を認識できなくなり、ただきれいな響きのようなものが、始めも終わりもないまま鳴り続けているといった錯覚を起こしてくる。

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この手の音楽はやはり好きで、思考が止まって惚けたような感じになってくる。だいたい途中で眠ってしまうのだが、今回も途中で眠ってしまった。SLEEPという曲名を聞いた時から、たぶん寝るだろうとは思っていた。ただ、起きても同じようなメロディーが繰り返されていたので、連続性は失われておらず、問題はなかった。

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