二度寝、三度寝と繰り返し惰眠にさらわれる。昼過ぎまで…。
午後、汐留のパナソニック電工ミュージアムでやっている「日本の民家」写真展に行く。先日亡くなった建築誌GAの創始者・二川幸夫の写真展。魔力的な感じのする民家の姿が力強い。大学の教授に言われて、とりあえず見に行ってみた民家の強さに訳も分からず心打たれて、日本中をまわって写真を取り続けたとインタビュービデオで氏が言っていたが、理由は問わずとにかく心打たれるものを写真におさめるため飛び回るというのは生涯変わることはなかったようだ。
次に銀座のクリエイションギャラリー8でやっている「つつみのことわり 伊勢貞丈「包之記」の研究」展に行く。陰と陽の関係性を研究し続けているグラフィックデザイナーの山口信博主宰の折形デザイン研究所の研究発表展。さらに近くのギンザグラフィックギャラリーでの「LIFE 永井一正ポスター展」にも行った。動物の毛や模様を手描きで緻密に埋めていくイラストの画風もさることながら、それを生かす平面構成と色遣いの地力が尋常でなく高く、どれも良かった。ポスターの大きさとイラストの密度感のバランスがちょうど良い感じがする。
帰りに本屋と古本屋に寄って漫画や適当に目についた本を購入。夕食を田丸というラーメン屋で摂る。ここのラーメンは素朴な中華そばといった味でよい。
帰宅後、購入した漫画、福満しげゆき「就職難!ゾンビ取りガール1巻」および志村貴子「放浪息子14巻」を読む。福満作品は好きなので結構たくさん読んでいるが、これも面白かった。本作でも、無駄に女性キャラクターの骨盤を強調したパースを多用。放浪息子は年に1回くらいしか単行本が出ないので、新刊が出るたびにストーリーを忘れていて、それでだいたい1巻から全て読み直すという作業をしてしまう。線のきれいさは変わらず。面白い。
その後、今日古本屋でなんとなく目について購入した、狩野俊「高円寺 古本酒場ものがたり」を読む。高円寺にあるらしい、古本屋と酒場がいっしょになったコクテイルという店の人が書いた本だった。以前、読んだ、内堀弘「石神井書林 日録」という古本屋の店主が書いた本が面白かったので、古本屋ものをまた読んでみたいなと突発的に思った。この本は古本の話はほとんど登場せず、古本酒場に集う人々と店主との交わりを記録している。
石神井書林日録のほうに、確か、古本屋は、不思議な職業で、元なんとか屋の人間だらけ、何かに失敗した人間が最後に流れ着く職業、みたいなことを書いていたような気がする。どんなはみ出した人間でも受け入れられるような何かが業界にあるという。
本の後半の、店の開業から移転までのドキュメント部分は特にそんな感じを彷彿とさせるもので、金がなく、内向的な著者が、勢いで作った古本屋に、どこからか不思議な人々が集ってきて、不安定な精神状態の中で酒におぼれながらも、人の輪の中で店がなんとか続いていく様子を描いている。著者は、自分のような駄目な人間が人に支えられてここまできた、といった感じでその様子を回想しているが、彼を支えた人たちも、やはり同様に、はみ出たり何かが欠けたりした人たちで、それぞれが相互依存の関係にあって物語がうまれている。実際、著者は皆に支えられているというより、皆に献身的に与え続けているようにも見える。もともと人と関わることが得意でないのに、精神をぶっ壊してまで酒場という輪を運営していて、どこからか人が流れてくる…。
自分が、何かに依存することは、克服しなければいけないことだと思い込んでしまったのはいつのことだったのか思い出せない。弱さを見せ合って補い合うような共依存状態って何が悪いことだと思ったのだっけ…。「社会」に出て、学生の頃よりさらに外に出なくなった自分にとってあまりにも遠くてうらやましい感じがした。日記がなぜこんなに長くなるのか。



