赤灯回して

夜、Vortex Jazz ClubにIan Shawという人のライブを観に行く。最初、Cafe OTOに行ったのだが、当日券があると思ったチケットが売り切れており、そのまま無意味に帰宅するのもはばかられたので、Vortexに行ったところ、まだ席があるようだったので、滑り込んだ。音楽が聴ければもはや何でも良かった。

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正直、全く知らない人だったが、ジャズ・ボーカリストとしては著名な人らしかった。コメディアンとしての顔もあるらしく、有名なポップスの歌詞をもじって歌ったり、曲の途中でブレイク代わりにジョークを挟んだりしていて、客の笑いを積極的に誘っていた。もともとジャズにあまり興味が無いので、正直なところ、音楽自体は面白くもつまらなくもないという感じだったが、この、歌に対し漫談の比重が高いスタイルは妙に既視感があり、途中からどうも芸風がさだまさしに似ているという事に気づいた(単語の区切りが分かりにくいので、以下、佐田と記載)。そもそも年末に年越しライブをやっている時点で佐田の要素が入っているが、取ろうとしている笑いの質も似ていて、「もし13歳に戻れたなら〜」といった歌詞の曲では、「13歳だったころ、私は独身でいられたのに…」といって中年の受けをとっていたり、休憩に入る前の曲で「どうしてもおしっこに行きたいのでもう曲を終わろう〜」みたいに歌ったりして枯れた笑いを誘っていた。普通にしゃべっている途中で、いきなり朗々と歌を開始するというミュージカル的スタイルも佐田がよくやっているが、このIan氏も多用していた。笑いの質が自分の年代と比して枯れ過ぎていて、客は皆笑っているのに、笑い声を聞けば聞く程、自分の意識が冷めていくのを感じるあたりも佐田の印象に似ていた。佐田の曲は、非常に良い曲が多いと思うのだけど、個人的にはあの漫談が馴染めない…。

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ライブ中に2014年を迎え、1時頃、店を出た。ショーディッチ付近に移動して、少し街を歩いた。通りは結構な人であふれていて、パブやクラブなどは年明けではしゃぐ人々で賑わっていた。

_DSC9312 _DSC9315帰宅時、道路が尋常でなく混んでいて、交通情報を知らせるスマートフォンのマップを見たところ、ほとんどの道が、混雑度MAXを示す真っ赤な色に染まっていた。帰宅に通常の3倍近くの時間がかかった。パトカーと救急車の出動率も尋常でなく、数えきれないくらいの緊急車両とすれ違った。泥酔しているのか何なのか知らないが、犬猫レベルのかなり危険なタイミングで道路に飛び出して横断しようとする人がかなり多く、その上、凄まじい渋滞で、交通法規を無視しまくった、マナー違反の悪魔と化した多くの車両が危険な走行をしていたので、事故が多発するのもうなずけた…。こちらの年始は静かなものかと思っていたが違った。自分は、皆が騒ぐ記念日より、皆が静まり返る記念日のほうを好みたいと思っているので、静かなものであって欲しかったが、当然そんなはずは無かった…。

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