Normandy – Longues sue Mer battery

_DSC8701 今日は写真を大量に貼る。朝7時前にフランスのOuistreham港に到着、空は暗く、雨が結構強く降っており、自転車での移動を考えていたので、あ、終わったなと思った。元々、目的地であるトーチカのある街Longues-sur-Merまではこの港から40km近く離れており、折り畳み自転車で頑張るには距離が長いので、タクシー等で移動を考えていたが、料金が100€以上かかると言われ、おとなしく雨の中、自転車で行く事にした。 _DSC8708 途中、明らかにトーチカだったと思われる建造物を取り込んだアパートを見つけた。トーチカ内部がどのように使われているか知らないが、異質な造形物が明らかに不自然に突き刺さっており、興味深かった。 _DSC8710 目的地まではおそらく4時間近くかかると思われた。雨も降っており、最初の10kmくらいで既にずぶ濡れで死にそうになっていたが、せっかく来たので、ひたすら自転車を漕いだ。 _DSC8713 道中、他のノルマンディー地方の名所にも寄った。JUNO beachという海岸では、迷彩服を着た男性が一人、金属探知機を使って浜辺で何かを探していた。何を探しているのかは知らないが、亡霊のようだった。 _DSC8717 JUNO beachのそばにも朽ちたトーチカがあった。トーチカはロシア語なので、こちらではBatteryと呼ぶようだ。コンクリートの巨大な重量と、浜辺の柔らかい地質のせいか、斜めに傾きながら、地面に沈んでいた。 _DSC8732 _DSC8733 _DSC8740 _DSC8745 既に体力的には限界を迎えていたが、まだ目的地まで半分以上の距離があった。 ひたすら先を進み、Arromanches-les-Bainsという地域に辿り着いた。ここには戦時中、仮設の港や橋が作られていたようで、その港の構造部材の一部だったと思われるものが海岸にまだ残されている。 _DSC8752 _DSC8753 _DSC8754 _DSC8758 _DSC8759 _DSC8760 _DSC8764 _DSC8765 ここは小さいエリアだったが、割と華やかに観光地化されていて、メリーゴーラウンドなども唐突に置いてあった。今日は天気が悪いので、重苦しく、いかにも戦争の遺物のオーラを堪能出来る雰囲気になっていたが、実際、もっと真夏に来れば、リゾート的なビーチのひとつなのではという気もした。 既にもう足も限界だったが、引き続き先を進んだ。2−3度の坂道ですら登れなくなっており、平坦な道以外は全て自転車を降りて歩いた。 _DSC8768 _DSC8769 _DSC8770 結局4時間以上かかり、目的地のLougues-sur-merのbatteryに到着した。途中でスニッカーズを2本消費しなければ、辿り着けなかったと思われる。船の待合所で買っておいて良かった。写真を連投する。 _DSC8906_DSC8774 _DSC8781_DSC8784_DSC8799 _DSC8787 _DSC8794 _DSC8798_DSC8803 _DSC8816 _DSC8818 _DSC8820 _DSC8825 _DSC8828 _DSC8831 _DSC8839_DSC8908 分厚過ぎるコンクリートの壁の質感、生っぽく大胆な造形、狭い銃眼から来る光と影の強過ぎるコントラスト等、作為のない原始的な空間が、怖さと安心感を同時に感じさせて、きれいだった。ポール・ヴィリリオのトーチカの写真集「Bunker Archeology」の中に、「美しさというものは恐怖の最初の段階にすぎない」というリルケの詩の一節が引用されていたが、確かにそんな感じがした。 何度も繰り返すが、体力的には既に死にそうだったが、トーチカが想像どおり素晴らしく、来て良かったと思った。 _DSC8847 _DSC8851 ここにはもう一つ大きめのトーチカがあり、こちらのほうがより海岸に近い位置に設置されている。 _DSC8858 _DSC8861 _DSC8867 _DSC8870 _DSC8871 _DSC8875 _DSC8877 _DSC8881 _DSC8884 _DSC8887 _DSC8897 _DSC8900 バスかなにかで近くの大きな街まで行こうとしたが、近くにあった観光案内所で聞いたところ、そういうバスはなく、また今日はバンクホリデーなので公共交通機関も本数が減っているという。近くの大きな街Bayeuxに行って、そこから電車でCaenという街に行く事を勧められ、時刻表等をもらった。この地方の列車は、なぜかGoogle mapで検索しても出てこず困っていたので、時刻表は非常に助かった。 観念して更に7kmくらいの道を自転車でBayeuxまで行った。幸いにしてこの頃は既に天気は晴れていた。Bayeuxの読み方が分からず、バイェゥクスみたいに呼んでいたら、ビヨンと読むと正された。これは読めないと思った。_DSC8912 _DSC8914 ビヨンに到着し、適当に街を観た。時間がなかったので殆ど素通りしただけだが、きれいな街だと思った。 _DSC8916 _DSC8917 _DSC8920 ビヨンの駅近くの適当な軽食屋でオムレツを食べる。味はフランスだからといって特段おいしいというものではなかったが、普通だった。フランスに来ていたのに、まともに食事をしたのはこれが最初で最後となった。 _DSC8926 _DSC8928 ビヨン駅から電車でCaenとへ向かった。デッキ部に携帯電話くんみたいなキャラクターのシールが貼ってあった。 _DSC8931 CaenではOMA設計の図書館が建築中との情報は調べていたので、一応、それを少しだけ見た。躯体はすでにできていたようだった。特徴的な十字形のプランがなんとなくわかった。 _DSC8939 _DSC8941 Caenからは、時間ももう無かったのでタクシーに自転車を積んでOuistrehamの港に戻り、帰りのフェリーに乗り込んだ。 _DSC8946_DSC8954_DSC8967 _DSC8968 _DSC8969 _DSC8970 夜の10時ごろ、Portsmouthに辿り着き、そこからロンドンへと戻った。フェリーの中で良く眠っていたので、不思議とそんなに疲れは残らなかった。

Normandy – Longues sue Mer battery」への4件のフィードバック

    1. toyoda 投稿作成者

      ブログ放置していて返信が遅れました。。
      トーチカ、生々しいし、きれいでした。でも観光地化もされていて、主要な場所には何故か必ず設置されている、小規模だけどカラフルなメリーゴーラウンドの浮き方も良かったと思う。
      自転車はテルンとかいうメーカーのもので、折り畳み自転車だからなのか、折り鶴の図案が描かれていて謎です。

      返信
    1. toyoda 投稿作成者

      久しぶり。メール返信したよ。お待ちしてます。こちらもう随分、日も長くなって夜の9時くらいまで明るい。

      返信

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