The Wind Rises

午前中、W氏の引越しの荷物運搬を手伝う。

夕方に、ロンドンでも公開されている宮崎駿の「風立ちぬ(英題:The WInd Rises)」を観た。日本での公開から1年ほど遅れて、やっと観る事ができた。日本語音声の、英語字幕のものだったので、鑑賞に支障はなかった。

観たあと、これがイギリスでどのように捉えられるのか、気になり、こちらのレビューをいくつか読んだ。それらによると、今までの宮崎作品とは全く違った大人向けの内容、戦争兵器と知りながらも飛行機設計という美しい夢に魅せられた青年の狂気、などの概要に加えて、宮崎駿の父親が航空機製造工場を営んでおり、零戦の一部の部品を製造していたこと、更に母親が結核を患っていたことを引き合いに出しながら、自身もアニメーション制作という狂気に取り憑かれた宮崎駿自身の自伝的映画、と解説したり、あるいは英国空軍の有名戦闘機Spitfireの設計者を題材にしたらしい映画「The first of the few」との共通項や、サナトリウムの描写の元となっているトーマス・マンの「魔の山」という小説を取り上げながら、普遍的なテーマを描いているというといった解説もあった。どのレビューも、わりとストーリーの意味を説明することに寄っている気がした。

個人的には、スタジオジブリの映画は、映像、アニメーションの動きそれ自体に、凄まじい叙情性があるので、必ずしもストーリーの意味を追わずとも、いかに映像が美しいかを言葉で的確に説明できれば、よい映画のレビューになる気がしている。飛行機が浮かび上がるシーン、震災で地面が波打つシーン、群衆のシーン、飛行機がバラバラになりながら墜落するシーン、風がパラソルを吹き飛ばすシーン、等、あらゆるシーンのアニメーションの動きが躍動的で、見ていて本当に気持ちいいくらいに、動きが生きている感じがした。

非常によい映画だった。

The Wind Rises」への2件のフィードバック

    1. toyoda 投稿作成者

      風立ちぬ、DVDすでに発売してるのは羨ましい限りです。また観たいです。
      そしてブログの共有ありがとうございます。人生の参考にさせて下さい。

      返信

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA