Scotland 01

S氏が日本よりやってきており、スコットランドへいくつかの建物を見に行った。今日はエジンバラにて、Enric Miralles設計のスコットランド議事堂を見た。エジンバラは昨年5月に両親と共に来て以来、2回目の訪問になるが、前回はこの建物のことは知らなかった。

事前に見学ツアーを申し込んでおり、係りの人が1時間ほど、内部を案内してくれた。写真撮影は一部を除いて禁止だったので、あまり写真がないのだが、激しくカーブを描くコンクリートと、直線的で太い木材がゴツゴツと絡むかなり強い造形で、非常に良かった。見たことのないような異常な形状が随所に見られたのだが、それを、係りの人が逐一、全体の平面プランのコンセプトは木と枝と葉っぱのような形をしており、スコットランドの豊かな自然を象徴しているとか、内部空間に見られた激しく波打つ形は、船や海のモチーフで栄華を支えた海洋産業を表現しているとか、スコットランド国旗を模した十字形のエレメントだとか、建物に使われている4つの代表的な素材はそれぞれスコットランド北部、南部、西部、東部を代表する素材が使われているとか、議会の透明性を表現するガラス張りの会議室だとか、すべての形状がスコットランドの歴史や文化をソースにしたものであることを嬉しそうに説明していた。

それらの説明だけ聞いたのであれば、面白みのない説法のような建物を想像したかもしれないが、造形力が明らかに突出しており、それらのソースは言われなければ全くそれとは分からないくらいに芸術的に建物に取り込まれていた。何というか、説明を聞いていると、議会の要望や、市民の声、有力者のたわごとなど、全て呑んで強引に造形化して建物に取り込んでいったのではと思われるくらいシンボル図形の数が多く、またそれぞれが反復されて使われているので、建物の表情は一貫せずかなり複雑な感じになっているのだが、それでもそれらの強烈な摩擦を一箇所にグワッとまとめているので、非常に強烈な感じがしてよい。なんとなく曖昧な状態をキープしつつ、ひとつの場所として形に仕上がっていてすごい。

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議事堂のすぐ裏手にあった山に登り、エジンバラの町などを見渡し、少々市内を散策したのち、鉄道に乗ってグラスゴーに移動した。

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