Serpentine Gallery、Serpentine Sackler Galleryとで二つの展示をみた。
ひとつ目はMICHAEL CRAIG-MARTINという画家のもので、フラットな画面に、電子機器などがアイコンのように簡素なグラフィックで描かれているというものだった。
ふたつ目はSIMON DENNYという作家の立体作品の展示で、サーバーラックやLANケーブル、Red Bullなどを使用したものや、シリコンバレー系のテック企業のオフィスレイアウト、ホワイトボードに書かれた殴り書きの矢印、様々なワークスタイル解説本にあるようなダイアグラムなどをコラージュしまくった立体作品などがあった。
どちらもテクノロジーをモチーフにした作風だった。前者はそこらじゅうのウェブサイトで見かけるようなシンプルなアイコンやフラットデザインのカラー、後者は、大量に立ち並ぶ抽象彫刻のようなサーバーラック、テック系企業の至る所で見かけるポストイットが大量に貼られた壁や、パワーポイントで作成された原色だらけの図表、カジュアルな手書きマーカーなど、現代にいつのまにか生まれてしまった新しい「様式」を目ざとく見つけ、それを芸術の文脈で再提示してみるという試みだったように思えた。どちらも文脈操作による芸術表現なので、ぱっと見で美しくて気持ち良いというようなものはなかったが、面白くはあった。