梅原大吾

今日は寒い日だった。

会社から帰宅後、昨晩の残りのカレーを温めて遅い夕食を摂る。

最近、会社の同期とストリートファイターという格闘ゲームの話を少しした。そのせいか、本屋に平置きで並んでいた「ハイスコアガール」という漫画がふと目にとまり、読んでみた。格闘ゲームが一世を風靡した90年代に、格ゲーを通じて互いに通じていく男女を描いたラブコメ…。

わずか1,2年のことだったと思うが、あのころは、地元の田舎の小さなスーパーの軒先にさえ格闘ゲームの筐体(NEO GEOのマルチビデオシステム)が置かれていて、皆で群がってゲームを見ていた。自分はあのチュッパチャプスのようなレバーコントローラーがうまく操作できなかったので、基本的にはプレイせずに後ろで見ているのが好きだった。でも隠し必殺技のコマンドやら、隠しキャラの出し方などは詳しく周りに聞き取り調査をして無駄に知っていた。

「ハイスコアガール」は、30歳前後の人の記憶を直撃する時代設定と、すれ違いが中心のストーリーで、感傷が感傷を呼ぶ構造になっている。後悔したり、暗い気持ちになったりする感傷ではなくて、心地よい感傷をおぼえるのは題材があの時代の格ゲーだからなのかもしれない。あの頃、ゲーム廃人同然になった人も多くいたと思うけれど、なぜかあの格闘ゲームブームを体験できたことを後悔している人に今まで会ったことがない。関わり方の大小はあれど、多くの人が、「不思議な、凄い時代だった」という感想をもっていて、たまに話に出ては愛でるように懐かしむ思い出の一つになっているようだ。

「ハイスコアガール」の主人公とヒロインは1991年で小学6年生だから、2013年現在では33歳くらいになっていることになる…。

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