カテゴリー別アーカイブ: 音楽

Come on die young

Royal festival hallにmogwaiのライブを観に行った。前座はClinicという、メンバーが全員、医療用の手術服とマスクをしているバンドだった。昔、音楽雑誌で、Radioheadの前座を努めていたと読んだ記憶があるが、演奏を始めて聴いた。出で立ちから、何らかグロテスクな曲でもやるのかと思ったが、以外と良い感じのインディーロックだった。手術服を着ている必然性が全く感じられないところが良かった。途中少し眠り、モグワイに備えた。(写真はClinicのサイトより借用)

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モグワイは音もでかく、非常に素晴らしい内容だった。実はチケットを正規ルートで購入出来ず、どうしても観たかったので転売サイト?のようなもので割高のチケットを購入したのだが、そうまでして聞きに来て良かった。すさまじいノイズの音圧により耳鳴りが止まなかったが、非常に満足して家路についた。

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数学部の変人

朝、大家さんが業者を伴って屋根の雨漏り箇所のチェックに来る。以前にも来たが、相見積もりを取るために違う業者を呼んだようだ。

その後、掃除などしていたら昼過ぎになった。最近また意味なく英語版ジブリDVDを数枚購入したのでそれを見る。「コクリコ坂から」「借り暮らしのアリエッティ」は一度も見たことがなかったが、今回初めて見た。英語版DVDだが日本語音声も収録しており、所見で英語だとたぶん理解できないだろうと思ったので日本語を選択した。特にアリエッティは非常に良いアニメで今まで見ていなかったことが悔やまれた。

夜、会社のM夫妻を誘い、パブで夕食を済ませたあと、Cafe OTOに行った。Richard Youngsというグラスゴーのアシッド・フォークのミュージシャンで、以前に音源を聴いたことがあり、楽しみにしていた。M氏が舟漕ぎ歌のようだと言っていたが、確かにリフレインが非常に多くて、意味なく淡々と終わることなく口ずさまれる感じが、地味なのに何か響く感じがあり、とても良かった。どんなものでも、リフレインさせていると音楽になっていく原始的な強さがあったように思った。

_DSC9613-Young氏の前座で演奏したEric Chenauxという人も、ぐにゃぐにゃしたノイジーなギターソロが非常に自分の好きな感じの演奏で面白かった。今日の演奏は2者とも面白かった。

12時頃、帰宅した。

赤灯回して

夜、Vortex Jazz ClubにIan Shawという人のライブを観に行く。最初、Cafe OTOに行ったのだが、当日券があると思ったチケットが売り切れており、そのまま無意味に帰宅するのもはばかられたので、Vortexに行ったところ、まだ席があるようだったので、滑り込んだ。音楽が聴ければもはや何でも良かった。

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正直、全く知らない人だったが、ジャズ・ボーカリストとしては著名な人らしかった。コメディアンとしての顔もあるらしく、有名なポップスの歌詞をもじって歌ったり、曲の途中でブレイク代わりにジョークを挟んだりしていて、客の笑いを積極的に誘っていた。もともとジャズにあまり興味が無いので、正直なところ、音楽自体は面白くもつまらなくもないという感じだったが、この、歌に対し漫談の比重が高いスタイルは妙に既視感があり、途中からどうも芸風がさだまさしに似ているという事に気づいた(単語の区切りが分かりにくいので、以下、佐田と記載)。そもそも年末に年越しライブをやっている時点で佐田の要素が入っているが、取ろうとしている笑いの質も似ていて、「もし13歳に戻れたなら〜」といった歌詞の曲では、「13歳だったころ、私は独身でいられたのに…」といって中年の受けをとっていたり、休憩に入る前の曲で「どうしてもおしっこに行きたいのでもう曲を終わろう〜」みたいに歌ったりして枯れた笑いを誘っていた。普通にしゃべっている途中で、いきなり朗々と歌を開始するというミュージカル的スタイルも佐田がよくやっているが、このIan氏も多用していた。笑いの質が自分の年代と比して枯れ過ぎていて、客は皆笑っているのに、笑い声を聞けば聞く程、自分の意識が冷めていくのを感じるあたりも佐田の印象に似ていた。佐田の曲は、非常に良い曲が多いと思うのだけど、個人的にはあの漫談が馴染めない…。

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ライブ中に2014年を迎え、1時頃、店を出た。ショーディッチ付近に移動して、少し街を歩いた。通りは結構な人であふれていて、パブやクラブなどは年明けではしゃぐ人々で賑わっていた。

_DSC9312 _DSC9315帰宅時、道路が尋常でなく混んでいて、交通情報を知らせるスマートフォンのマップを見たところ、ほとんどの道が、混雑度MAXを示す真っ赤な色に染まっていた。帰宅に通常の3倍近くの時間がかかった。パトカーと救急車の出動率も尋常でなく、数えきれないくらいの緊急車両とすれ違った。泥酔しているのか何なのか知らないが、犬猫レベルのかなり危険なタイミングで道路に飛び出して横断しようとする人がかなり多く、その上、凄まじい渋滞で、交通法規を無視しまくった、マナー違反の悪魔と化した多くの車両が危険な走行をしていたので、事故が多発するのもうなずけた…。こちらの年始は静かなものかと思っていたが違った。自分は、皆が騒ぐ記念日より、皆が静まり返る記念日のほうを好みたいと思っているので、静かなものであって欲しかったが、当然そんなはずは無かった…。

Goodiepal

ロンドンにはレンタル自転車ステーションがあちこちにあり、ちょっとした移動に重宝しているのだが、最近、そのステーションの設置場所が拡大され、家の近くにもレンタル自転車ステーションが出来た。何となく、その自転車を使用し、市内に出かけてみた…。

Salone squareへ。クリスマスの買い物か、多くの人でにぎわっていた。路上でサンタの衣装を来たバンドがピンク・フロイドの曲をやっていた。

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SAACHI galleryへ行く。ここの展示はだいたいいつもはずれが無い。今回はBODY LANGUAGEという企画展で、身体をモチーフにした作品を集めたものだった。絵画中心だったが、どれも非常によかった。

Henry Taylor 塗り方がホッパーのようにざくざくとしていて好きだった。

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Makiko Kudo

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Kasper Kovitz イベリコ豚で彫刻が作られている。

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さらにチャリで移動し、Hyde parkのSerpentine sackler galleryに行った。何をやっているか全く知らずに行ったが、Jake and Dinos Chapmanという人の展示で、入るなりいきなり、ナチスと骸骨とマックのドナルドが凄惨な殺し合いをしている様子を表した巨大なジオラマ模型がいくつも置いてあった。10000体をゆうに超えるであろう数の惨殺された人形で巨大な箱の中が埋め尽くされていた…。基本的に、何か怪しいカルト宗教のような世界観が展開されている展示で、グロテスクなものが多く、生理的な気持ち悪さを直球で狙ってくるようなものばかりで、少しきつかった。ただ表現の強度はあった。

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その後ハイドパークを散策。

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クリスマス期間のみ、ハイドパークにはWInter wonderlandという巨大な移動式遊園地が来ており、そこが多くの家族連れなどでにぎわっていた。入るのに相当、並ぶようだったので中には入らなかったが、かなり大掛かりなアトラクションががんがん建てられており、よくこんなものを仮設で建てられるなと思った。どういう設計になっているのだろうか…。基本的に絶叫マシンが多いのか、塀の向こうからは悲鳴が聞こえてくるばかりで、きらびやかなネオンの光など、視覚情報をのぞいて、音声だけ聞いたとしたら何やら不穏な感じがしたのではと思う。

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いったん家に帰り、改めて夜はCafe OTOに行って、Goodiepalという、電子音楽の作曲家のライブを見た。これが完全に意味不明の演奏で、演奏しているより何か喋っている時間の方が長く、また、やっと始まったと思った演奏も、ドライアイスから発生する二酸化炭素をズルズル鼻で吸いまくりながらリコーダーを吹く等、謎だった。氏の独自の作曲理論をまとめた本を読みながら、それを実演するような形だったっぽいが、ほとんど音楽として成立しておらず、長時間きくのは辛かった。最後は、この曲は良くないから、もう止めようと言って、途中で演奏を止めてそのままライブは終了した…。自分はずっと、このライブ早く終わらないかなと思っていたので、ちょうどよかった。

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ISAN

Hackney近辺に出かける。Columbia roadという小さな通りにややこじゃれた雑貨店などがいくつか軒を連ねており、クリスマス装飾雑貨などがギラギラとしていた。Choosing Keepingという文房具屋に入り、シャープペンシルをひとつ買った。Kawecoというドイツのメーカーのもの…。日本の鉛筆やペンなども多く取りそろえられていた。なじみのあるはずの日本製文具だったが、陳列の仕方と店の雰囲気の幻惑によって非常に良い感じのものに見えていた。店員に、あなたの国の文房具でしょうと言われた。明らかに知っている製品だったが、自分の知らないもののように見えたので、そうだと思うが見たことがないと、答えた…。

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この時期はそこかしこでクリスマスツリーを売っている。植木屋レベルの巨大な木を2−3人がかりで運搬しているような光景もたまに目にする。

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また、各家庭にもクリスマス装飾が増えている…。

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その後、ハックニーのアンティーク家具屋などを経由しつつ、Broadway marketにあるDonlon booksという写真専門の本屋などにも寄った。

更にその後、W氏と待ち合わせてCafe OTOに行き、ISANなど、4組のライブを見た。ISANは大学生の頃、好んで聞いていたmorr musicというドイツのレーベルから音源を出していたミュージシャンで、まだ活動していたとは知らなかったが、当時と変わらないややドリーミーな音で、結構よかった。サポートメンバーでプーチンのような顔をしたフルート奏者が入っていたが、機械のような演奏で良かった。

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