月別アーカイブ: 2013年3月

雪見だいふく

ss01 ss02

帰宅。遅くなる。レイアウトがこれだと思う位置になかなか決まらない。

レイアウト次第で生き死にが決まるような感じでなく、モンドリアンのシステマチックな絵画のように、誰がどうやってもだいたい意図したイメージが構築できるような、生成システムそれ自体が芸術性を帯びると良いが難しい。

画像はPCの処理が追いつかずできたバグ画像…意図的にバグ風な処理を起こし画像を破壊する方法をグリッチと呼ぶが、その場合、破壊行為が制作行為になっているので倒錯した感じで魅力がある。

ロバート・キャパ ゲルダ・タロー

S氏に誘われて横浜美術館でやっている「ロバート・キャパ/ゲルダ・タロー 二人の写真家」展に行った。報道写真家として名高いロバート・キャパは、アンドレ・フリードマンとゲルダ・タローという男女の二人の写真家の共同の作家名だったことは初めて知った。迫害の対象だったユダヤ人の名前を隠すため、また当時は報道写真がアメリカで高く売れたため、アメリカ人風の架空の名前を使っていたようだ。しかしタローは若くして戦場で亡くなり、キャパの名前はフリードマンひとりが継ぐことになる。

DSC_0189

横浜美術館を後にし、S氏が調べてくれた桜木町付近の餃子屋へ行った。「とんねるずのみなさんのおかげです」のキタナシュラン3つ星を取った店とのことだったが、非常においしかった。いつかまた、行きたい。帰宅後はやらなければならない事があったのだが、泥のようにまどろみが来て気がつくと12時を回っていた。いつもの罪悪感が来てすぐ気にならなくなった。

Windows8

_DSC6191

昨晩から母のパソコンのセッティングのため実家に来ている。朝からセットアップを初め、メールソフトの設定やデータ移行などを行う。Windows8にまともに触ったのは初めてだったので、いろいろと仕様が変わっていて手間取ってしまった。Windows8から採用された、タイル上にアプリケーションが並ぶ「メトロUI」はおしゃれだがやはりタブレット等のインターフェースという感じがする。また今までと見た目もボタン配置なども全部違ってしまっていたので、可能な限り、今までの母の使用スタイルに合うように設定をいじった。

_DSC6184

個人的にはあのタイルのデザインは割と好きだ。装飾があまりなくて良い。ただ日本語フォントはやはり改善の余地があると思う。MSゴシック、メイリオフォントをやめて、もっと素直な字形のものを採用し、文字のアンチエイリアスをもっと強くしてなめらかにすれば見違えるようになりそうな気がする。Vistaの時にMicrosoftが気合いを入れて開発した、きれいな文字表示のためのClearTypeテクノロジもあまり効果的に感じられない…。(かつてWIndows XPマシンを持っていた頃、GDI++などで文字表示をMac風にしたら劇的に美しく感じられた。)

夜は駅の近くで中華料理を食べ、東京に戻った。車内では眠り続けた。

 

パシフィック

仕事のあと、21時過ぎの新幹線で浜松へ。先週も友人結婚式で帰省していたのにまた今週も。今回は母親がパソコンを新調したので、そのセッティングのために帰る。家族内でPCにある程度詳しい人間が自分しかいないため。

金曜夜の下り線は非常に混んでおり、自由席指定席共に満員で、デッキにて浜松まで過ごした。夫パソコンを持っていたのでデッキで作業。

浜松駅からはタクシーで実家まで移動。タクシーの運転手からお勧めの映画をきく。

かけそば

IP03 IP04 IP05

やや遅めに帰宅。

ふと思い立ってProcessingのプログラムを書いて画像生成のスタディを行った。しばらくProcessingに触れていなかったせいか文法を忘れていた。

関係ないが「神速Photoshop」という本を読んだ。photoshopで良くやる作業をいかに最小手数で効率化してやるかを追求した本。思いもつかなかった裏技のような方法が載っているというより、現行のPhotoshopにいつのまにか搭載されていた便利な機能をざっと知ることができるという感じの本だったように思う。ツールがどのように進化していくかを見るのはとても面白いので、ときどきこの手の教則本は買って読むようにしている…。

チャリの旅

帰宅。否定の連鎖と鬱の蔓延が職場でちらちらする。安易なことを口に出せない感がある。

DSC_0182

カーマイン・ガロ「アップル驚異のエクスペリエンス」を読んだ。「スティーブ・ジョブス 驚異のプレゼン」「スティーブ・ジョブス 驚異のイノベーション」に続く驚異シリーズの最新刊。新製品があろうがなかろうがいつも大量のカスタマーであふれるアップルストアが、なぜあんなにも魅力的なのか、その秘密を詳細に調べ、語った本…。

400ページ弱の本だが、本のなかで述べられていることはそう多くない。アップルストアでは、商品を売ること自体は二の次で、優れた体験を提供すること、ひいては顧客の人生を豊かにすること、がいちばん重要なことで、カスタマーとスタッフが「素晴らしい人間関係をつくる」、それだけをやってきたということを、豊富な実例と検証を用いながら何度も繰り返し述べている…。実際に、この本の読後感は、小売業のビジネス指南書という感じでは全くなくて、対人関係、コミュニケーションのはぐくみ方の良質な教科書といった感じがした。

2001年に1号店がオープンしたアップルストアは、フォーシーズンス・ホテルの顧客サービスを多いに参考にして作られているという。ホテルの各部屋にアメニティ・グッズやドライヤーがある、世界で最高のベッドが完備されている、ホテルにトレーニング・ルームがある、スパがある、などの、今では多くのホテルが競うようにやっているサービスは40年前にフォーシーズンス・ホテルが始めたことで、ただ1夜を眠るための仮の宿としてしか機能していなかった当時のホテル業界に、とにかく最高の時間と居心地を提供するというずば抜けた顧客サービスを行い、最高のホテルの名声を得たらしい。

アップルストアはフォーシーズンスのような、お客さんに気持ちよいと思ってもらえる体験をどうやって作るかと考え続け、その中核になるのは、気持ちの良い「対話」を提供すること、だと考えたようだ。いくらホテルを参考にしたからといって、内装が無駄に豪華だったり、お店でジュースをくれたりとかそういう方向で真似をしたのではなくて、人と人との会話によって、人が気持ちよくなることの本質を捉えようとしたのはさすがというかやはりという感じがする。

そのため、アップルストアの仕組みは、全て「人と人との信頼関係」をつくるための仕組みとして理解できる。アップルストアのスタッフはかなりの権限委譲がされており、 スタッフがお客のためになると思ったことならば、ルールを越えた行為だったとしても積極的にやることが求められている(正統な理由があれば、たとえ有償修理を無償でやったとしてもお咎めはない)。やってきたお客さんと飼い犬の話で1時間以上盛り上がっていても問題ない。お客さんを待たせなければいけない時は、どのように対応すれば最も待ち時間を短く感じてもらえるかをしっかり教育されている。スタッフの給与も、製品をどれだけ売ったかの歩合制ではなく、何台売ろうが、売れまいが同じに設定されている。また、マネージャーもそれを理解していて、スタッフ自身が楽しく働けるようなアイデアを常に歓迎し、取り入れる仕組みになっている。運営や人事に関して、通常、秘密にされているような情報も可能な限りオープンにするようになっている。ただコンピュータを買いに来た人と売る人のビジネス的な関係に留まることに満足せず、人生のひとときを過ごす場所として、最高の人間関係ともてなしを提供するというビジョンのもとにすべてが動いている。

確かにジョブスのインタビューなどでよく、「我々はコンピュータを売りたいのではない、人の人生を豊かにしたいのだ。」という言葉が出てくるが、たんなるキャッチコピーでなくそれを実践していたことが今更ながらわかった。

三ヶ日ミカン

DSC_0135

先日、帰省した際に浜松駅で見かけた静岡新聞のポスター。以前にも見たので、もうずいぶん前から貼ってあると思うが、新聞記事風のレイアウトが全てみかんで再現されている…。

今日たまたま普段見ているデザインブログのようなサイトをみていたら、なぜかこのポスターが紹介されていた。ついこの間、見たばかりのものが、どこか外の国の人の手を介してまた自分に戻ってきていて驚いたが、そういうものなのだろうと思った。

 

それがぼくには楽しかったから

_DSC6167

帰宅して冷凍してあったカレーを食べたのち、岡田斗司夫と内田樹の対談本「評価と贈与の経済学」を読んだ。かたそうなタイトルの本だが、表紙にイワシの写真が載っているのがちょっと気になって買った。タイトルの割に内容は分かりやすくなっていて、これからの共同体や経済活動のシステムとして「評価経済」「贈与経済」というものを提唱している。

現行の交換経済(物々交換を起源とする、何かと何かを交換する経済活動。現在は物と物のあいだに金という概念が入って、交換を補助している。)は消費活動の沈静化と共に機能しなくなる。次の経済活動として、金や物を貯め込むのではなく、どんどん誰かに「贈与」したりされたりすることで共同体を作り、生きていける仕組みが出来ないか、という話。金を持っている人が偉く強いのではなく、効果的に他人に貢献できた人が生きやすくなるという。評価経済というのも似たような考え方で、金を持っているだけの人より1万人のtwitterフォロワーが居る人(=評価されている人)のほうが価値を持つ時代、ということを言っている。

正直なところ自分はこの仕組みに憧れがある。

というのは、この「贈与経済」を今現在いちばん実践できているのはオープンソース・ソフトウェア開発の分野で、自分はその分野とそこで生きる人たちに憧れがあるからだと思う。彼らは無償でソフトウェアをアップデートさせる贈与活動を行い続け、そこでの評価によって、生きている。年齢も年収も一切関係がなく、コミュニティへの貢献度だけが全てで、そこから日々を生きるための仕事も作り出されている。オープンソース運動に関しては、オープンソース3部作と呼ばれている(らしい)エリック・レイモンド「伽藍とバザール」「ノウアスフィアの開墾」「魔法のおなべ」という論文を読んだが、殆どユートピアと思われた最も純粋なワーキングスタイルがそこにあって、それがいたって自然に自律的に続いているという姿にすごく感動したのを覚えている。オープンソースのOSとして名高いLinuxの開発者リーナス・トーバルスの自伝のタイトル「それがぼくには楽しかったから」なども、そのピュアなワークスタイルとコミュニティの体質をあらわしていて泣ける。実は、こんなに面白そうなタイトルなのに、まだ読んでいないが…。

linus09リーナス・トーバルス

この贈与経済などの仕組みが、一般社会において今すぐに機能するとはまだ思えないけれど、自分が今のせせこましい考え方しかできない精神性から成長して、今より少し立派な人(内田樹はそれを公民とよんでいる)になれたのであれば、そういう幸せそうなコミュニティで生きられるのだろうか。

BOOKS AND PRINTS

昨晩は実家に泊まった。昼食前に、母親が最近感銘を覚えたというフルーツティーなるものを淹れてもらったが非常においしかった。リンゴやバナナ、キウイ、オレンジなどの果汁を溶かしだした紅茶…。

東京に帰る前に、昨年浜松にできたという、写真家の若木信吾が開いた本屋BOOKS AND PRINTS BLUE EASTに行ってみた。KAGIYAという朽ちかけた古いビルの中に入っている。数は非常に少ないが、面白い写真集が置いてあった。とはいえそれらの殆どはAmazonでも買えるものだったので、BOOKS AND PRINTS JOURNALという、その店のスタッフ達が作ったらしき小冊子を買った。独自の視点でまとめられた浜松MAPなど載っていて、浜松の新しい面を少し知れて良かった。地元の人が個人的な視点で作ったガイドブックのようなものは、なぜかだいたい面白い。

DSC_0165DSC_0168

近くにあったレコード屋の看板にpostrock, electronicaという文字を見つけ、入ってみた。sone recordsという店だったが、非常に小さい店だったが、こういう店が街に一軒でもあることは重要だろう。なんとなく、浜松のインディーバンドのCDを数枚買った。

DSC_0171 DSC_0175 DSC_0177DSC_0178

小冊子に記事が載っていたが、たまに見ているarchitecturephotoという建築系ニュースのポータルサイトの管理人も浜松在住との事で驚いた。別に驚くことでもないはずだけど、なんとなく東京の人がやっているのだと思い込んでしまっていた。また管理人氏はdifottというカバンのブランドもやっているらしく、浜松の工場で氏がデザインしたトートバック等を作っているようだ。

 

katsu

高校の友人の結婚式に出席するために浜松に帰省した。新幹線の切符を買おうとしたら券売機が故障していて、窓口も長い列になっていて時間をロスし、電車に乗り遅れるかと思ったが、何とか滑りこむことが出来た。

DSC_0155-1

式はエンタテイメント性あふれるもので、本人っぽさが存分に出ており楽しめた。本人が終始笑顔で良く、また、皆を楽しませようとするおもてなし感があふれていた。数年ぶりに会う高校の友人もいて、近況を聞くことができ楽しかった。ゲームで景品が当たったが、ナース服のコスプレ衣装で、使い途もなく実家に置いてきた。

DSC_0164

実家の犬のシンメトリックな姿勢。