月別アーカイブ: 2013年6月

きのこ

朝から東京とのビデオ会議がある予定だったので、やや早めに会社に行ったが、予定は延期になっており、無駄足だった。やることは多くあったので、結局早く来て正解だった。

帰宅後、TESCO(スーパー)に行って食材を購入。でかいキノコが売っていたので何となく購入。他にはジャカイモやタマネギ、豚肉等。まだこちらに来て一度も自炊をしていなかったので、塩とコショウなども購入した…。

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豚肉とジャガイモとキノコを適当に皿に並べオーブンに放り込んで焼いた。まあそれなりに食べられるものにはなったが、肉から化学的な香りがする気がした。オーブンなど使ったことがないので、使い方がよく分かっておらず火力を間違えた可能性がある。一緒に焼いたキノコの香りかもしれないが、あまり良い肉ではないので防腐剤でも噴霧されていたのかもしれない。あと肉は非常に硬かった。

THE LONDON IMPROVISERS ORCHESTRA

昼過ぎに家を出て、Holborn駅に向かう。会社の同僚のかたとCOCKPIT ART OPEN HOUSEというイベントへ出かける。COCKPIT ARTは1989年にはじまった、個人作家を支援する団体らしい。アーティストに制作アトリエとなるスタジオを貸し出しており、今日はそのスタジオをオープンハウスとして開放し、その場で制作物の即売会を行うといったイベントだった。

スタジオの空間はおそらく何らかの工場だった建物を転用したものと思われたが、良い雰囲気だった。同僚が、「どこかで見たことがあるものが多い」と言っていたが、確かにそんな気がした。どれも良い雰囲気でオシャレ感のある制作物だったが、突出したものがあるかというと怪しく、未知の美意識を突きつけられている感じはしなかった。既に確立されたオシャレ感の中で、皆で歩調を合わせてその居心地の良い様式を守っている感じもした。とはいえジュエリー系ではいくつかきれいなものがあって面白かったし、この人達のような作家的な生活にユートピア的なものを感じうらやむような気持ちもあった…。

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その後、covent gardenに移動して、休憩しようと入ったカフェでアフタヌーンティーがあったので、それを頼むことになり、それを食べながらしばし歓談する。スコーンにつけるクロテッドクリームはとてもおいしいと思う。

その後、パブで更に歓談した後、DalstonにあるCafe OTO(というライブハウス兼カフェ。現代音楽・実験音楽のライブが毎日のように行われている。)に言った。当たり外れの大きい現代音楽系のライブだったので、一瞬、誘うのがためらわれたが、同僚の方もついてきてくれた。

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Cafe OTOは昨年、ロンドンに3ヶ月滞在した際にも何度か来ており、毎回おもしろいライブがやっている上に、雰囲気がかなり良いので、割と遠いにもかかわらず何度も来てしまう。今日はLondon Improvisers Orchestraという即興演奏の楽団で、曲ごとに指揮者を変えながら、それぞれの指揮者固有の「振り」に対して演奏者が即興で対応していた。ドラマーのお爺さんが指揮を執った際の、ポエトリーリーディングを混ぜた曲がかなり良く、リズムと声がいつまでも耳に残った。やはりcafe OTOは行くたびに何らかの収穫があって面白い。同僚も、この曲は良かったと、言っていた。

終了後、電車を乗り継いで帰宅した。

Yに会う

土曜日。イギリスに来て一週間が経った。少し疲れもあったのか、やや遅くまで眠った。

この一週間、生活のリズムはずいぶんと掴めたが、やはり車の運転がまだ心許なく、少し、練習しようと思い、Wimbledonまで行って帰ってこようと家を出発した。土曜の昼過ぎのウィンブルドンは凄まじい混みようで、完全に渋滞にはまり動けなくなった。ロンドンは渋滞が有名でロンドン都心部では渋滞税として乗り入れるだけで料金を取られるエリアがあるとの事だが、少し郊外のウィンブルドンでも凄い渋滞だった。

途中で何とか脱出し、帰宅。少し練習にはなった…。

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その後、今度は電車でまたウィンブルドンへ行き、電気屋に寄った。ポータブルの携帯バッテリーが欲しかったのだが置いていなかった。駅に併設されたショッピングセンターの適当な日本食ファーストフード店で焼きそばを食べ小腹を満たした後、Hyde parkのサーペンタインギャラリー・パビリオンを見に行った。

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今年の設計者は藤本荘介で、本人が、木陰で見たことのある(が誰だったか思い出せない。何らかの講演会で見たことがある気がする。編集者だったかもしれない…)女性と話をしており、インタビューを受けている風だった。以前、GAギャラリーで、氏の設計による、細い柱状のものが寄り集まってタワーのような門のような形状を成している建築模型をみたが、そのキャプションに、「シンボリックでありながら、人が寄り集まると建築の形状は消失して人が集まっている姿だけが残る」空間を作りたいというようなことが書いてあり、今回のパビリオンはそんな感じがした。自分が学生だった頃には、人間の知覚や感覚の変容を操作することで何とか空間と呼べるものを作ろうという、建築を消していくアンビエントな考え方がメインストリームにあった変な時代だったが、このパビリオンはその延長線上にありながら、構造物としての明確な主張があって面白かった。

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その後、高校時代からの友人Yに会うためにoxford circusへ行き、sketchというレストランで食事をした。Yは2年程ロンドンに留学していたが、今月末に帰国することになっており、せっかくのこちらでの知り合いがすぐにいなくなってしまい寂しい感じがする。もろもろ近況などを報告した。前回会ってから半年くらいしか経っていないが、もろもろ話すことはあった…。食事もおいしかった。

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朝、初めて道を間違えずに出社することに成功する。今日はかなり朝早めに行ったので、渋滞もなく、30分ほどで到着した。昨晩、知らないうちに雨が降ったようで、道路や草木が濡れており、涼しく気持ちよい感じがした。

業務を終えた後、日本人の同僚の方々に誘われて、会社近くのゴルフ場に併設されているパブへ行った。池のほとりに建つパブで、行ったことはないが軽井沢にいるような気持ちになった。車で来ていたので、ジンジャーエールを飲んだ。もろもろ同僚の方の楽しい話をきかせていただく。石で焼いたステーキなどを食べた。

ちなみにイギリスでは、少量の飲酒運転は違法にならない。100mlの呼気中に何mlまではOK、というような既定らしい。アルコール分解能力が人によって違うので、明確に何杯までならOKということはない…。飲んだら運転しないことに越したことはないが。

帰宅する際に、明らかに自分の過失で、車で変な割り込み方をしてしまって後続車両に苦い顔をさせてしまう…。車に乗り始めて何日も経っていないのに、ひやひやした回数は既に5回以上ある。やや怖いが実践練習を積まなければ慣れないので、いろいろと出かけてみようとは思う…。

帰宅後、夜の九時を回っていたが、何となく近場の音楽パブthe gray horseへ行く。全く名も知らない3組程のライブを見る。客もほとんどいない。2組目にみたthe mayersとかいうおっさんのフラメンコ風のバンドは割と良かった。ベースのいないギター2人とドラム1人の編成で、ギターが2人ともphaser(入力波形の位相をずらして音をシュワシュワさせるエフェクト)を強めにかけまくっており、どの曲を聴いてもずっとシュワシュワしていて、全然効果的でなくて変な感じがしたが、そんなに悪くはなかった。1組目は特筆すべき事もないバンド、3組目はリバティーンズ風のインディーロックバンドだったが勢いに欠けた…。

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3組目の途中で店を出て、帰宅。滞在先から徒歩1分のところにこういうふと思い立って行ける音楽パブがあって良かったとは思う。

家探し

今日はこちらで住む家を探すため、現地の不動産エージェントと共に物件の下見に出かけた。既にエリアはPutneyエリアに絞って探したい旨を伝えてあり、10件ほどの物件をピックアップしてもらっていた。

朝からノンストップでひたすら物件を見続け、マンションタイプ、デタッチドハウスタイプ、静かなところ、賑やかなところ、古いところ新しいところ…数多くのバリエーションを見た。2〜3年の期間限定の住処なので、何となく多少不便でもイギリスっぽい感じの家が良いかなと思っている。一応、ひとつ、ここがいいかなという場所を決めたが、入居できるかどうかはまだわからない。細かいところの写真を取り忘れ、やや気になる所などを問い合わせている。

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夕方ごろ、エージェントに滞在先まで車で送ってもらう。帰宅後になって、やはりもう一度下見したエリアに戻り、徒歩で駅からの距離を感じてみたいと思い、車で舞い戻る。初の路駐を行う…。駐車OKの時間帯であることを念入りに確認して駐車。問題はなかった。

再帰宅後、Kindleで山下和美の漫画「不思議な少年」を2冊程読んだ後、眠った。オムニバス形式なのでさっくりと読めて良い。割とどろっとした人間模様が、ドライな絵柄でさらっと描かれていて悪くない。たぶん生っぽく感情を入れて描写すると、相当どうでもいい感傷的すぎるドラマになるのだろうけれども、観察者のようなドライさで、良い感じに物語を運んでいて悪くなかった。

大麻

朝、カーナビが正しい道筋を示してくれているにも関わらず、車線選択を何度も間違え、激しい寄り道の末、会社にたどり着く。まだ慣れない。

今日はさっそくの業務で手一杯になり遅くまで残業をした。遅くまでと言っても、日本の時の遅さの比ではなく、10時前くらいでオフィスを後にした。それでもまだ外は明るく、高緯度の国の夏至の日の長さを思い知らされる。車が不安だったので、可能な限り明るいうちに帰路につきたかった。途中、やはりさすがに薄暗かったのでライトを付けた。

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夕飯にKingston駅前のトルコ料理屋のハンバーガーを持ち帰る。調理を待つ間に店の外の路上で喧嘩が始まり、女性がストップ、ストップと叫ぶ中で、激高した感じの男が、道路に倒れたもうひとりの男にマウントして殴りつけようとしていた。すぐに他の仲間が集まってきて、なんとか喧嘩を止めたようだが、でかい声でFuck you! Fuck you! (叫びすぎてザック・ユーと聞こえる)と吐き捨てて現場を去る男が若干、流血していた。

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昨日は夜、駅前の横断歩道で信号待ちをしていたら、何故か赤信号をがっつりと無視してくる若い男がこちらに来て、フレンドリーな笑顔で「smoke フィル」などと言ってきて、フィルってなんだと聞いたらガンジャ、ガンジャ(大麻)という。No, No といったら去っていたが、くったくのない笑顔だったなと、思った。フィルときこえたものが正確になんと言っていたのかは分からなかった。ちなみにイギリスでも大麻は違法だが、逮捕はされず警告レベルの罪にしかならず、事実上、違法ではないような状況だと、帰宅後に調べた。大麻の合法化を望む声も多いらしい。自分は基本的に、大麻はおろかタバコすら吸いたくないと思っている。

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会社には車で辿り着くことができた。相当、道を間違えて30分程度で行けるはずが1時間以上かかった。

帰宅時も道を間違えて時間をロスする。夜は近くのピザ屋兼パブへ行った。4ポンドくらいでマルゲリータが食べられる。いまの日本円に換算すると、別に安くはないが…。ビールの種類が多くよくわからないので適当に、ラガーの奴、などといって頼む。酒をあまり飲まないので、ビールをひとりで飲んだことなど、これまで殆ど、無かったが、なんとなくパブなのでビールを頼んだ…。

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ビールを飲みながら、なぜ自分はイギリスにいてビールを飲んでいるのだろうと、不思議な感覚にとらわれた。意識が急に凄く客観的になっていく感じで、これは自分の置かれている環境が変わると必ず何度か起こることなので、特に珍しくもないが、そういう時、ご飯の味は、あまりしなくなる。

出社する

イギリスに来て初出社する。半年前に短期滞在していたので皆、顔は知っているが、その頃から何人かは会社を去っていた。もろもろのセットアップを行う。前任者の引継業務や、日本で終えられなかった業務などが大量に貯まっている。昼頃、歓迎会と称して会社近くのゴルフ打ち放しに皆で行った。初めてゴルフ打ち放しをやった。

会社から車を借りたので、夜は車で帰宅。日本で全く乗っていなかったので、かなり不安だったが、同僚のかたが察してくれて車で滞在先まで先導してくれた。ラウンドアバウト、高速道路でヒヤヒヤとし続けたが、先導してくれたおかげで、何とか辿り着くことができた。

明日以降は車で通勤することになる。テクニックは限りなく不安だが、前任者の方がナビを遺していってくれたのと、ジェントル精神で譲り合いのある国だということで何とかなるだろうと思っている。

2日目

昼前に起床して、特にやることがなかったのでロンドン都心部に散歩に出かける。

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covent gardenのあたりに行く。なんとなくフラフラと街並みや店を見てまわる。近くにDenmark streetという楽器屋が軒を連ねるとおりがあると知っていたので行ってみた。楽器屋街と言っても例えば東京のお茶の水あたりの楽器屋街に比べれば規模は小さく、100mくらいの短い通りに10件未満の店があるのみだった。ただ中古ギター屋には奇抜な形をしたよく知らないメーカーのギター(いわゆるビザ—ル・ギター)が多く並んでおり、面白かった。黒いリッケンバッカーが500ポンドくらいで売られており、安いなと思ったが、どうも見間違いだった気もする。ちょっと安すぎる気がする。

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その後、ロンドンでは有数の大きさというFOYLESという本屋に行くも、言う程の規模ではなく、こんなものかという感じだった。とはいえいくつか雑誌を買った。更に街を歩き、三越デパートの隣にあるJapan Centreという日本の食材を売っている店をチラ見する。どれも高価だが、一通りの日本食材はここで十分手に入りそうだと思った。

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更に歩き、Green Parkを通ってsalone squareのSAATCHI GALLERY(という現代美術のギャラリー)に行った。ここは以前にロンドンに滞在していたときも、何度か来たことのあるギャラリーで、いつも見応えがある。ロシアの若手作家の展覧会と、イギリスの若手作家の展覧会をやっていたが、2つの展覧会の温度差がかなりあった。ロシアのものは、極寒の地の厳しい生活の不満や皮肉、またはそういう生活への誇りをベースとした、総じて重く生々しい表現のものが多く、対してイギリスのほうは奔放な造形実験やユーモアがあって笑いを誘うものなど、変なシリアスさがないものが多かった。

歩きすぎて疲れてきたので、Kingstonに戻り、帰宅した。帰りにTESCO(というスーパー)でピザを買い、アパートに備え付けられているオーブンを使って焼いてみた。使い方がよく分からず何となく生やけな感じになった。食事を終えた後に、オーブンの取説が室内にあったことに気付いた。

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疲れていたが、家から徒歩1分のところにthe gray horseというパブがあり、ここはライブハウスも兼ねていて無料でライブをやっていたので行ってみた。おっさんのハードロック系のバンドがゴリゴリと演奏しており、たいして曲は良くないが客はかなりたくさんいた。バイキング的な仮装をしている人が何人かいたが、意味不明だった。しかしこうやって気軽に音楽を聴ける場所が近くにあるのはすごく良い…。

ロンドンへ行く

仕事の都合でロンドンに赴任することになった。先月はずっとバタバタしていて非常に慌ただしく時間が過ぎていった。いろいろな方からしばしの別れと激励の言葉などをいただいた。

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成田空港までは元、会社の先輩にあたる方が親切にも車で送ってくれた。車酔いして少し気持ち悪くなってしまい、口数少なになってしまったのは申し訳なかった。順調にチェックインなどを済まし、搭乗、ロンドンのヒースロー空港まで12時間半のフライトだった。機内でハーブ&ドロシーという著名なコンテンポラリー・アートの収集家のドキュメンタリー映画を見た。

現地時間の夕方4時頃にヒースローに到着した。しばらく滞在することになるサービス・アパートメントの担当者に電話しなければならないことになっていたため、空港のSIMカードの自販機でプリペイド型のSIMカードを買い、即座に日本でSIM解除した携帯電話を使えるようにして、連絡を取った。今からタクシーで行くことを伝える。

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タクシーで40分ほどでKingston upon thamesのサービス・アパートメントに到着した。担当者がしばらく来ず、30分くらい待ちぼうけを食らったが、無事に鍵を受け取り、部屋に入ることが出来た。

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夕方6時をまわっていたと思うが、ロンドンはまだ明るく、外に出てしばし街の散策をした。想像していたよりはるかに寒く、困った。大きなショッピングモールやデパートのjohn lowisなどがあった。買い物には困らなさそうなロケーションだと思った。スーパーマーケットのwaitroseで日用品を買い込んで帰宅。機内でよく眠ったせいかあまり疲れを感じなかったが、だいたいすぐ眠れるので、ほどなくして眠りにおちた。

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