その後、エストベリ設計のストックホルム市庁舎(Stockholm City Hall)を訪れた。規模は全然違うものの、外観の雰囲気は確かに大隈講堂に似ている。
ガイドツアーに参加し、内部をもろもろ見ることができた。ガイド氏は「ナショナル・ロマンティシズム」という単語を連発しており、確かにその造形は、ヨーロッパの各方面からもろもろのすぐれた建築様式・美術様式を取り入れつつ、そこにスウェーデンの固有の歴史やシンボルを織り交ぜて独自化させていくというスタイルが貫かれていた。
イタリアや、ドイツなど、それらの様式の本国から見れば、まがい物なのかもしれないが、本流のものよりも、こうした中間的によく分からない異質な文化同士をぐちゃっと混ぜたものの方が面白いことがある。全体的にちょっと過剰で、だから面白い。