月別アーカイブ: 2014年7月

業務後、日本からの出張者とSalone squareの中華料理屋で食事。その後、近くにあったパブで一杯のPIMMSを飲んで、帰宅した。中華料理もピムスも、おいしかった。

ピクニック

自分の出身の大学のOB達で運営されている会の有志主催によるピクニック会に参加した。Hampstead heathの大きな公園で開催されており、参加者は主に小さなお子さんを連れた家族連れで、10人少々くらいの規模の心地よいものだった。この公園はなだらかな斜面が多く、風が良い感じに吹いていた。大学の先輩にあたるI氏と会い、一緒に参加されたその友人のT氏を紹介していただいた。こちらでの建築事情等、もろもろお話をうかがった。

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Serpentine gallery pavilion

Hyde parkにSerpentine galley pavilionを観に行った。今年のものはチリ人建築家のSmiljan Radićの設計によるもので、巨大で歪んだドーナツ状をしていた。メイン構造体のドーナツの下にゴロゴロと巨石が置かれていて、それによって、無目的な隙間ができていて、人々がそこで休んでいた。ドーナツ内は、トンネル形状をしているためか、どうも通路っぽく、そのせいか何となく橋にも似ていて、本来、2点をつなぐ橋が、たまたま入口と出口が同じだったためにドーナツ状に丸くつながったように思えた。トーラス形状は全体的にひっかかりどころのない形なので、しっくり腰を落ち着けられる居場所を見つけることが難しく、あまり建物には向いていない形のような気も、した。

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ギャラリー本館では、Marina Abramovićという人の手によるパフォーマンスアートの展示をやっていた。観客は全員、消音ヘッドフォンをつけ、無音状態で部屋に入るのだが、部屋に入ると、人々が壁に向かってやたらとゆっくり歩いていたり、十字型の台の上にただただ直立不動で立ち尽くしたりしていた。基本、意味が良くわからないのだが、観客たち全員の困惑が独特の緊張感を作っており、幾人も人と、互いに目配せしながら、これの意味がわかりませんという無言の微笑を交わし合った。

また、学校のようなサイズの机とイスが並べられた部屋では、参加者の人々がひたすら米と麦をひとつぶ一粒、選り分ける作業を黙々とやっていて謎だったが、よく見ると、半数以上の人が選別作業に飽きて、米を図形状に並べて絵を作ったり、文字を書いていたり、数を数えるために与えられていた鉛筆で、米と一切関係ない図形をデッサンしたりし始めていた。米、麦、鉛筆、紙という限られたアイテムで誰が一番エキセントリックなことが出来るかという戦いに変化している気がした。

from Serpentine gallery website

更にSerpentine gallery別館のSackler galleryのほうのEd Atkinsという人の展示も観たのだが、これも謎だったために割愛する。言葉が作品の重要な部分を担っていたようなので、これは仕方がなかった。

その後、ピカデリーサーカスのあたりを少々ふらふらして、帰宅した。

エビ

帰宅後、夕食をとりに川沿いのBOATHOUSEというパブに行った。この店には、川を眺められる屋外のテラス席があるのだが、今日はテラスは閉まっており、中で食べた。でかいロブスターを食べたが、おいしかった。このような食材は久しぶりに食べた。

Homeless in Detroit

昨日に引き続きStacey Dooleyの番組をやっていたので観た。Homeless in Detroitという題で、アメリカ最大級の工業都市から一転して、財政破綻、失業率トップクラスを誇る都市となったデトロイトでのホームレスの暮らしを取材していた。昨日のものに引き続き、取材対象の選択が切れており、性転換した女性ホームレス(元は男性)が空き家で違法に暮らしながら、マイナス20度以上の極寒のデトロイトの街角で売春をしてなんとか生計を立てている様子に密着していた。ホームレスの保護施設もあって、そこに行けば暖をとって少しの食事を得る事も出来るが、彼女がそこに行くと男性用の部屋に入れられてしまうので、私は行きたくないと、泣いていた…。

Stacey Dooley

帰宅。Stacey Dooleyという女性プレゼンターのやっているドキュメンタリー番組を観た。Giving up my babyという題で、何らかの理由で子供を育てられない親が、生まれたばかりの子供を養子に出す題材を扱っていた。通常の養子では、実の親の情報は隠されていることが多いが、この番組では、特にOpen adoptionといって、実の親の情報が子供に公開され、子供と定期的に会う事が出来るという制度で養子縁組をした人々を取材していた。Stacey氏の取材対象の選び方が、非常に攻めの姿勢を感じるもので、子供を作る事のできない同性愛者のカップルがこの制度を利用して、ややヤンキー風の若い夫妻から子供をもらい受ける様子など念入りに取材していて、興味深かった。複数人の人生と価値観が複雑に絡み過ぎていて、どうしてこうなったのかと思うような、理解の追いつかない現実をガツガツと間髪入れずに何度もたたみかけてくるような内容で、クラクラした。何も腑に落ちないまま、何か完全に置き去りにされた感があり、非常によいドキュメンタリーだった。

from BBC website

ワールドカップも観た。アルゼンチンがPKで勝利した。ゴールキーパーが凄まじい感じだった。

カーン

帰宅。デザインミュージアムのルイスカーン展のプレビューに行く予定だったが、業務が長引き行けずに終わる。日を改めて行く事にする…。

引っ越し

月曜。オフィスの引越しが終わって、違う環境での業務開始となった。引っ越しといってもひとつ下のフロアに移動しただけで、大差ないが、机の配置などが変わったので、印象が変わった。部屋の面積は狭くなったが、引っ越しに伴い、大量にものを廃棄したために、広く感じられた。オフィスも人が次々と入れ替わっている。かつての誰かの努力の結晶だったかもしれないようなものも、バサバサと棄てた…。

Andreas Gursky / Augustus Thompson

from White cube website

White cubeにAndreas Gurskyの展示を見に行く。緻密で巨大なプリントがWhite cubeの真っ白な空間の中にゆったりと置かれていて、きれいだった。ものは、情報量を削っていくと抽象的になっていくが、情報量を過剰に増やして行っても抽象的になるというのが良くわかる。

from White cube website

Augustus Thompsonという人の絵もざっくりしていて面白かった。やたらと何かを反復させており、使っている図形も画面構成も、おそらくあえてダイナミックにしてないので、繰り返しが不気味に目についた。ぱっと見て印象がきれいなのに、同じ図形が並ぶとやや気味の悪さがあり、また文字のように記号化して見えるので、これは絵ではないですといった乾いた存在感があって、軽くて良かった。

ギャラリーをあとにし、同じ通りにあったフレンチビストロで食事をとった。非常においしかった。いったん帰宅した後、コリアフーズに行ってもろもろの食材を購入した。

Stone henge / Salisbury

ストーンヘンジに行く。昨年末に、ストーンヘンジのビジターセンターが新築されて新しくなったという情報を得ていたので、どちらかというとストーンヘンジそれ自体より、ビジターセンターを見る目的で行った。ストーンヘンジは、多くの人が言うように、思った程、大きくもないし美しくもないただの石で、世界三大がっかりと呼ばれているだけはあった。世界三大がっかりの3種類は、人によって内容が異なる。自分はストーンヘンジ、シンガポールのマーライオン、は少なくとも含まれると聞いたことがあるが、3つ目については、知らず、気にした事も無かった。
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ストーンヘンジのがっかり感は非常に有名で、「皆、どれだけがっかりさせてくれるかを確かめるためにそこへ行く」と言われている程だが、それでも世界各国から人が大量に集まっている。自分もそういう心構えでこれを観に行ったが、事前の偏見をかけられない状態でこれを見たら、違った印象を持てたり感動したりできたのだろうかとも、少し、思った。人でも、まれにそのような人がいる。何らかの理由でついたレッテルが永遠に消えず、何をやっても、内容の善し悪し問わず、その人の行動や言動はすべてろくでもないものだと決めつけられてしまう生涯ピエロの役回りを受け持つ…。

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その後、近くの町Salisburyに寄って、遅い昼食を摂った。

ソールズベリ大聖堂は非常に立派なもので、尖塔の高さはイギリスの聖堂で一番高いようだ。

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この彫刻(キリストの十二使徒を表現したものらしい)の不気味な造形が興味深かった。この背後にある青いステンドグラスは、「良心の囚われ人たちの窓」という名前の作品らしいのだが、最初、この彫刻のタイトルがそれなのかと勘違いしてしまった。ふむふむ、良心に囚われたような異形をしている、と納得していたが完全に勘違いだった。

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夕方頃、家に戻り、さらに夜に、W氏の情報によりLiverpool streetでやっていたReal food festivalという各国の食べ物屋台が集まっている催しに行って、何かハンバーガー形状をしたものを食べたのだが、どこの国の食べ物だったのか忘れてしまった。味はとてもおいしかった。

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