London Design Week

今週はLondon design weekと称する、ロンドン各所の家具屋や美術館、セレクトショップ等が協同してもろもろのデザインイベントを開催している週だったので、土日とそれらを一日中見て回っていた。多くの美しいものがあったが、いつものように、そのどれも自分とは一切関係ないもののように思えた。彫刻のように眺めていればどれもそれなりに面白いが、商品として認識し始めると、急激に自分とは関係ない世界のものに思える。普段から、雑貨屋などでも、日常に彩りが出そうな豊かな商品を見ると、これは自分とは関係のないものだと思う。意図的にそう思うようにマインドコントロールをしてきたので、ある程度の達成感がある。いつかこのマインドセットを解除する必要があれば、そうすればよい。

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ラ・ヴィレット公園

しばらく日記から遠ざかっていた。平日は就労していて、週末はもろもろ作業などしており特段記述するようなことも無かったために、気がつくと多くの日数が経ってしまっていた。

今週は1日だけだが、パリに行く機会があり、用事を済ませた後に少し時間ができたためにいくつかの建物を見て回った。

ルイヴィトン財団美術館は、二度ほどその外観だけを見ていたが、今回はついに中に入ることができた。外観からでは想像できないが、大小、大きさや形のバリエーション豊かなボックスが内部に詰まっており、その空間に合わせた作品がほどよいバランスで置かれていて、とても良かった。縦方向にボリュームが伸び縮みする感じがダイナミックで好きだった。_DSC1332 _DSC1343 _DSC1370 _DSC1376

更に足を伸ばし、ラ・ヴィレット公園に行った。バーナード・チュミの設計による「フォーリー」という謎の赤い小パビリオンが公園じゅうにグリッドに沿って点在している。1982年に行われたこの公園の設計コンペは当時の建築界で相当な話題になったらしいが、自分はそのずっと後に学生となって、そのコンペを本で見たのみなので、実際のところは分からない。ただその本で見たチュミのコンペ案に描かれていたアクソメ図がやたらと格好よかったことを非常によく覚えており、実際にどのようなものが建っているのか見てみたかった。

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結果的には図面のほうが圧倒的に美しく、もともと観念的な内容だったこともあってか、実空間としては明らかに失敗している感が強く出ていた。フォーリーというのは、庭園などに装飾用として建てられる意味のない小屋のような建物のことを言うらしく、この案に関しても、公園という概念的な場所をテーマにどのように哲学できるかというような内容で、そもそも空間的に豊かなものを作ろうという気は無かったのだろうから、それはあえて言うべきことでもないのかもしれない。

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基本的に、80年代のデコン的な作風の建物は構造を露出するのが好きで、公園内のイスとか、ブリッジの柵のようなところとかもザクザクと骨をむき出しにしており、個人的にこういうのは好きなので、やっぱりいいなあなどと思っていた。普通の感覚だと、こういう裏方の構成材みたいなのは、もう一枚パネルを貼ったり、そもそも見えにくいようにスタイリングしたりしてあまり露出させないが、この時代はそういうデザイン処理が逆に格好良くないという雰囲気だったのだろう。

公園内には他にも有名な建物としてポルザンパルクの「音楽都市」やジャン・ヌーヴェルの「パリフィルハーモニー」があった。このふたつの建物は隣り合って建っており、プリツカー賞受賞者の設計した建物が並んでいることになる。
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フィルハーモニーのほうは最近竣工したばかりなのだが、前に、建物の建設費がかさみまくって工事が大幅に遅れ、完成していないにもかかわらず市が竣工式を行って、設計者のヌーヴェルが激怒、式典をボイコットみたいなニュースを見ていたので、どういう感じなのかなとは思っていた。外観はぱっと見、出来ていたが裏側に回ると確かにいまだに工事中の箇所が多く、これでよく稼働させているなとは思った…。

チュミのあの赤いフォーリー群は、見てみて割とがっかりするようなものだったが、それでも、通常、憩いとか触れ合いとかそういう優しげなテーマで作られる公園にたいして、思い切りコンセプチュアルで冷たい、一見して何か怖い感じがする幾何学形態をねじ込まないと気が済まない人間がいたとこいうことは面白いと思った。この設計に関してチュミは一冊、本を書いているので読んでみたいとも思った。

Unreal Engine 4

今日31日は祝日で休みだったので、3連休だった。全体的にあまり天気が優れなかった。ほぼずっと作業と調べ物をしており、ほとんど机の前にいた。自分は割とまとまった時間が取れると、なんらかの新しいソフトウェアをいじり始めるという非常にインドアな傾向があるが、ここ一月近くはずっとUnreal Engine4というゲームエンジンをいじっている。これは基本的にはゲームを作るための総合的な開発ソフトなのだが、ゲームは映像、音楽、インタラクションの複合体なので結果的になんでも作れるような複雑なソフトになっている。ゲーム機も持っていないし、普段ゲームは全くやらないのだが、そのゲームエンジンで生成された映像がやけにきれいで、しかも最近それが無料化して誰でも使えるようになったというので、何故か心掴まれるものがあり、衝動的にダウンロードした。やたら複雑なので最初はほとんど意味が分からず、ひたすらドキュメントや解説のビデオチュートリアルなどを見続け、なんとなくソフトウェア全体の設計と機能が分かり始めてきたような気がするが、原因不明の問題に頻繁にぶつかり、そのたびに何時間も解決法を調べ続けていて、かけた時間の割には、あまり作業は進んでいない。

そもそもコレを使って作りたい何かがあったわけではなく、ソフトウェア自体に関心があったため、作り方を覚えてはいるものの、その結果それがどこに向かっているのか自分でも全く分かっていない。ただ事実として既に自分はこの作業に数十時間を使っている。

日曜

作業など。日が少しづつ短くなってきている。一日中、窓際で作業をしていたので、日が昇り傾いていくのが、よくわかった。今更わかるような事でもないが、とにかくそのように思った。

SPIN

Covent gardenにあるMagma booksという書店で、SPINというデザイン事務所のちょっとしたポスター展のようなものを見た。幾何学的かつ簡素なモチーフ、スイス的なグリッドシステムのレイアウトを多用していて、作風が好きだったので、行ってみた。展示会というには数が少なすぎたが、それでも個々の見た目は非常に強く、良かった。紙面の全体的な強さを作っているのはやはりタイポグラフィの良さに尽きるように思われたが、使っている図形それ自体も、限りなく無個性に近い雰囲気で、さらに、作為を感じない直接的なレイアウトで配置されていて、良かった。SPINはUnit Editionsという出版活動もしており、今回はそこで出版されたほぼすべての本を眺めることができ、なかなか置いてる本屋がなく、見られていなかったものが多かったので、良い機会となった。

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fron Unit Editions website

fron Unit Editions website

ネコ

帰宅。今日は久しぶりに良い天気で、汗ばむ陽気だった。夏だが、普段は毎日、肌寒く、他国から来た人々は皆、夏が全然来てないのに冬が来ると、不平を述べているが、ある意味では過ごしやすく、自分は割と気に入っている。明日は暑くなるようだ。

サザンオールスターズ

同僚の一人が会社を去った。故郷のセルビアに帰るという。わざわざ挨拶に来てくれたので、協働したいくつかの作業が思い出された。仮に、自分が会社を去るとしたら、自分もその同僚のところに挨拶にいっただろうが、その逆を信じることはとても難しい。

人との関わりにおける連続性が難しいと感じるようになり、ある程度の年月が経った。今日、仲良くしてくれた人が、明日も仲良くしてくれるとは限らないし、今日、信頼されていたとしても、明日も信頼されているとは限らないだろう。何らかが積み上がると、何らかの関係性が維持できるものと考えると、シンプルでよいのだが、実際は、どれだけ積み上がっていても、崩す作業は一瞬のうちに行われるので、あまり問題ではない。すべてが一過性のもののように感じ、たとえ毎日のように顔を合わせる人でも、その日その日、最初に声を交わすその瞬間まで、どんな関係なのかは分からない。実際、そのようなランダム性は、いたって日常的なことで、普通、そこを過剰に意識する必要はないものだと頭ではわかっているのだが、何らかの不明瞭な要素が、過敏に反応する。

クッキー

日記に記す価値を一切感じないのだが、今日も作業などをしていた。ドキュメントを読み込むためのまとまった時間が取れるのは週末だけなので、集中的にいく。普段、従事している仕事とは関係のないものなので、ある意味では休息になっている。集中的にいったと思っていたが、人から教えてもらったキングダムという漫画がふと気になり、数冊をkindleで購入、読みふけってしまった。確かに面白かった。普段からkindleは漫画を読むのに恐ろしく役立っている。たいがいいつでも何らかの無料本セールをやっているので、全く興味ない適当な漫画を適当に読み漁るという無益な趣味を持っている。

マンボウ

作業などを行う。1日のほとんどの時間を、ソフトウェアのドキュメントを読むことに費やし、日が暮れ、買い物に行くのも面倒になっていたが、幸いにしてサバ缶がまだあった。

電車

朝早く起きて、洗濯などし、朝食を摂ったあと、少し眠り、昼食をはさんで、本を読み始めたらいつの間にか眠っており気がつくと夜も深い時間になっていた。ただ眠っていただけで1日が終了する。

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